恐怖のモダン焼き【前編】 | 甲南大學應援團OB会のブログ「雲外蒼天」

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甲南大学応援団再建物語
~黄霧四塞すと雖も、上に蒼天なきに非ず~

暴力団排除条例が施行されて久しい昨今、團風的に書くを憚られるネタが多く、執筆者の頭を悩ませております。

とは言え以前、後日、執筆する旨、予告したものが放置されているものは如何なものかと思いますので、その中から記載したいと思います。


以前、ご紹介したエピソード で予告させて頂いた、三宮では「モダン焼きの親分」と密かに恐れられておりました人物のお話でございます。各方面で名を馳せた人物 でありましたが、元気の良い若者の面倒を見るのが大好きでありまして、元気の良い若者を見つけますと気軽に声をかけたりしておりました。自らも草野球チームを結成したりまして、三宮のクラブのボーイ達が結成したチーム等と試合を行い、試合終了後は勝敗に関わらず、食事を振舞っては心の底から愉快そうに豪快に笑っておられました。斯界では「イケイケ」と呼ばれ、大層、恐れられた人物ではございましたが、我々の様な若輩には一様に優しい御仁であられました。


氏は大正14年の生まれでありますので幼少期から成人に至るまでを戦前、戦中の激動の時代の中で過ごしてこられた訳でありますので、食べるという事の重みが後世の人間とは違うのでございます。故に氏にとって若者への最高のもてなしは腹一杯、食べさせたやることに尽きる、という不動の信念をお持ちだったのであります。


宵闇迫る神戸三宮の北野坂、團務を終え、一献、傾けるべく店を探す数名の甲南大學應援團員ご一行様。すると前方より数人のお供を従えた親分がやって参ります。無論、有名人である親分を知らぬ訳はなく、これはヤバいと思った矢先、「おぉ、應援團か。飯、食うたか?腹、減ってへんか?」と矢継ぎ早に質問攻めに遭います。何と答えたら良いものか悩んでおりますと、「どうぞ、どうぞ」とお付の若い衆が背中を押して、付近にある親分、行きつけのお好み焼屋へ連行されるのであります。


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八代目甲雄会広報委員会