9.ガード下の靴磨き
JR三ノ宮駅のガード下は現在では随分と整備されましたが、その昔、ここには靴磨きを生業にする方が大勢、座っておられました。かつては駅の中にも店舗を設けやっておられる所もあった程ですが、現在では余り見かけません。
実は應援團の團室にも靴磨きセットは常備されております。團員たる者、常に粋で鯔背でなければなりませんし、足元には気を付けねばなりません。しかも「履きだおれ」の街と呼ばれる神戸に本拠を構える我々は尚更であります。團員は学ランに黒い紐がないタイプの革靴の着用が義務付けられておりましたが、やはり何時もピカピカにしておきたいものです。
靴磨きは最初にブラシで簡単に汚れを落とした後、靴墨を全体にまんべんなく塗り、その後、軽く靴墨を拭き取り、仕上げに布で磨き上げるという作業で、所要時間数分程度のものでありますが、やはり上手い下手が歴然と出るものであります。
研究熱心な下級生はガード下のおっちゃんの手つきを観察したり、自らも磨いてもらったりして技術の向上に励んだりも致します。たまたま懐が温かい幹部が三宮に出て参った時などは、夜の街に繰り出す前に、ガード下で靴を磨いてもらう姿なども見る事が出来ました。
確かに阪神大震災以前までは確実にあった様に記憶致しておりますが、現在では全くと言って良い程、靴磨き屋さんは姿を見なくなりました。気になって調べてみますと、路上での営業は、道路交通法第77条第1項第3号で定められており、罰則は第119条第1項第12号の4で定められています。道路上で営業するのは道路交通法で規制されており、靴磨きは露店及び移動売店施設に属します。よって営業許可を取らなくてはならないのであります。
規制が厳しくなり、姿を消した様なのでありますが、やはり何処か寂しい気が致します。
八代目甲南大學應援團OB会
広報委員会