新年度になって、0歳児たちは進級して1歳児になり、新しい1歳児の仲間と、0歳児の後輩ができました(^^) たった、1日2日程度なのに、在園の1歳児たち3名はすっかり先輩らしくなりました。

 

もともと、好奇心旺盛なAですが、新しく入園してきた0歳児や1歳児にも興味津々。ただ興味があるだけでなく、その子たちのために何かしてあげたいという気持ちが行動に溢れています。行動プロセスをよく見ていないと、0歳児に向けて手を伸ばすAに対して「顔触っちゃだめ」「頭触っちゃだめ」という注意になってしまいそうですが、よく観察していると、Aにあるのは優しく頭や顔をなでてあげたいという気持ち。そこで、保育者たちは「頭じゃなくて手や足をスリスリしてあげてね」と伝えます。すると、下記写真のように、手を伸ばし、自分の指を0歳児に握らせます。0歳児がギュッと手に力を入れると、嬉しそうに振り向きました。言葉は無くてもコミュニケーションできた喜びを保育者と分かち合いたかったのかもしれません。

同様に、下記もAの姿です。新しく入った1歳児の泣いている姿を見て、トコトコと歩き出したので、何をするのかと思って見ていると取りに行ったのはタオル!それも新入園児のタオルです。近くに座ると、写真のように涙を拭いてあげるAでした。この一連の行動をすべて自分の意思で行っているのです。今まで保護者や保育者が自分にしていたこと、新しく入ってきた0歳児や1歳児に向かって保育者がしていることを見て、行っているのかなと思います。ちょっと胸が熱くなる光景です。

 

末っ子B、家族の中でも一番大事にされてきたという自覚があるでしょうから、自分より下の子に対して、どのように反応するかと思っていましたが、こちらもビックリ。0歳児と遊んであげようとする際、眼と眼を見合わせるため、顔を覗き込むようにして微笑みます。それも自分が低い位置に入り込んで(下記の上段写真)。下段の写真は、まるでミラーリング効果を意識するかのように、0歳児の動きを真似て見せているBの姿。これには驚きました。

下記も同じくBの姿。0歳児の眼を隠しているため、分かりにくいかもしれませんが、0歳児と目を合わせようとするB(上段写真)が、0歳児の視線が下がったのに合わせて自分の顔の位置も下げている(下段写真)のが分かるでしょうか。ノンバーバルコミュニケーションを1歳児が自分の判断で行っている!本当にすごいことです。


下記写真中央の青い服を着ているC。上段の写真では、新入園児のDが着替えた服や使ったタオルを入れる洗濯バケツに脚を突っ込んでしまっています。しかし、騒いだり非難したりすることなく、そっと見守るC。Dの脚が洗濯バケツから抜けると共にバケツが倒れました。すると、この場面でも、Dに向かって非難したり注意したりすることなく、そーっと手を伸ばして(写真中段)、静かに倒れたバケツを起こしていました(写真下段)。大人でもなかなかできることではありません。相手の間違いを鋭く指摘し、自分の行動の正当性を声高に主張するというオトナ、結構いますよね(笑)。Cの態度には押し付けがましさがまったくありませんでした。

眼が合った保育者に「C、ありがとう!バケツ直してくれたのね」「Dのこと怒らないで見てくれてありがとうね」と言われて、照れたように笑顔になるCでした。

 

大人に言われなくても、1歳児でも自分で考えてこれだけの行動をとることができます。本当に素晴らしいことだと思います。大人が支えてあげる、守ってあげる、世話してあげる対象として子どもを見るだけでなく、子どもが考えていること、しようとしていることを静かに見守ると、より子どもたちの可能性に気づくことができます。