緑-GUMI  黄色-リン



とんでもない現象 どうやら透明人間になりました
  万々歳は飲み込んで
ああでもないこうでもない原因推測をぶちまけて
  一つ覚えで悪かったね
まあしょうがない しょうがない 防衛本能はシタタカに
  煙たい倫理は置いといて
あんなこと そんなこと煩悩妄執もハツラツと

聞きたくなかった陰口と
焼き付いたキスシーン
リセットは別の話
もう頭が痛いよ

嫌い 嫌い 嫌いな僕が   見えてますか ルンパッパ
知らん 知らん して 凭れるナナメが欲しいだけ
楽観 楽観 達観 楽観 達観 楽観視 僕は透明人間
見えないクセして 世迷い言垂れても 意味ないじゃん




混濁とコンタクト コンダクターこんな僕を導いて
  セルカークばりの粋なシチュエイション
ああでもないこうでもない あんなことこんなこと もう沢山  
  つべこべ排他的感情論
どうやら一方通行のお友達は膠もなく
  随分大胆な夜遊びね
世界一無害で尚且つ傍若無人なゴミにはなれたでしょう

そこに僕がいない事
誰も気づいちゃいないでしょう
そもそもいない方が
当たり前でしたね

嫌い 嫌い 嫌いな僕を   覚えてますか ルンパッパ
知らん 知らん して   楽しく生きるの やめてくんない?
楽観 楽観 達観 楽観 達観 楽観視 僕は透明人間
爪噛む悪いクセ 今更止めても 意味ないじゃん


大往生を前にして
しゃがれた老父は笑ってた
そうかそうか道理で
ひとりじゃ 笑えない


嫌い 嫌い 嫌いな僕が   張り裂けて ルンパッパ
かない 戯れ
内緒の悪口 ありがとう

大嫌い嫌い嫌いな僕を どうか忘れないで
ごめ んね それ でも 端っこでいいから 座らせて

交差点 人ごみの真ん中を急ぐサラリーマンが
すれ違いざま

半身で確かに避けたんだ


いまぼくはここに

8月15日の午後12時半くらいのこと
天気が良い
病気になりそうなほど眩しい日差しの中
することも無いから君と 駄弁 (だべ)っていた


「でもまぁ夏は嫌いかな」猫を撫でながら
君はふてぶてしくつぶやいた


あぁ、逃げ出した猫の後を追いかけて
飛び込んでしまったのは赤に変わった信号機


バッと通ったトラックが君を轢きずって鳴き叫ぶ
血飛沫の色、君の香りと混ざり合ってむせ返った
嘘みたいな 陽炎 (かげろう)が「嘘じゃないぞ」って(わら)ってる
夏の水色、かき回すような蝉の()に全て(くら)んだ




目を覚ました時計の針が鳴り響くベッドで
今は何時?


8月14日の午前12時過ぎ位を指す
やけに(うるさ)い蝉の声覚えていた


でもさぁ、少し不思議だな。
同じ公園で昨日見た夢を思い出した
「もう今日は帰ろうか」道に抜けた時
周りの人は皆上を見上げ口を開けていた


落下してきた鉄柱が君を貫いて突き刺さる
(つんざ)く悲鳴と風鈴の音が木々の隙間で空廻り
ワザとらしい陽炎が「夢じゃないぞ」って嗤ってる
眩む視界に君の横顔、笑っているような気がした




何度世界が眩んでも陽炎が嗤って奪い去る。
繰り返して何十年。もうとっくに気が付いていたろ。


こんなよくある話なら結末はきっと1つだけ。
繰り返した夏の日の向こう。


バッと押しのけ飛び込んだ、瞬間トラックにぶち当たる
血飛沫の色、君の瞳と軋む体に乱反射して
文句ありげな陽炎に 「ざまぁみろよ」 って笑ったら

 

実によく在る夏の日のこと。
そんな何かがここで終わった。


目を覚ました8月14日のベッドの上
少女はただ
「またダメだったよ」と一人猫を抱きかかえてた




春過ぎて、夏が来て、花開いて
秋過ぎて、冬が来て 儚く散る
移ろうは、四季の色、生命(いのち)の色
時を廻(めぐ)りて、あなたの元へ


幼いころ指切りをして 交わした約束は、
握ったあなたの手の中、今もずっと 残している


桜の舞い散る、春の日や
雨露(あめつゆ)に濡れた、梅雨の日も
季節が彩る表情は、淡く儚く


華やいだ、風が吹き、揺れる花も
葉を揺らす、雨露(あめつゆ)に、濡れる花も
彩りは、四季の色、生命(いのち)の色
時を廻(めぐ)りて、あなたの元へ


約束したはずなのに、あなたは独り旅立った
あの日交わした約束は、あの空へと 消えてゆく


思いを馳(は)せるは、月の光
粉雪舞い散る、冬の空
季節が彩る表情は、ただ、美しく


葉を揺らす、露霜(つゆじも)に、凍える花も
木枯らしに、ひらひらと、震える花も
移ろうは、四季の色、生命(いのち)の色
時を廻(めぐ)りて、あなたの元へ


生まれ来る、生命に、花開いて
やがて来る、さよならに、儚く散る
そしてまた、花開く、生命(いのち)の花
時を廻(めぐ)りて、あなたの元へ