614 ハッピーバースデー ジャム☆
東京。
週の真ん中よりちょっと端っこよりの、とある日。
とある住宅街。
とある部屋。
美味しそうな匂いとともに、軽快に室内を流れる、ハミング一節-。
「♪フフフフフ~ン♪ フンフッフッフッ♪フンフッフッフッ♪フンフッフッフッフッフ~♪」
「…ご機嫌だね、吉乃さん…、つか、何?
この、ごちそうさま~♡な食卓?」
「あっ、いつ見てもスーパーイケメンな圭樹春海くん♡ おかえりなさい。
…って言うか帰ってきたなら、ちゃんと『ただいま~♡』って言わないと。急にキッチンに顔出されたらビックリするじゃな~い。
ほらほら、ヌボッと突っ立ってないで、早く洗面所で手を洗ってきて~。
で、洗ってきたら、このピザをのせるお皿出して~」
「そう言うあんたは、サバンナのチーターみたいにキレイなキレイな吉乃夏美さん。
…って言うか、何で俺達お互い褒め合いながらフルネームで名前呼び合ってるワケ?」
「知らなーい。でも多分。手短で手っ取り早い紹介、って感じなんじゃないかな?
とりあえず俺達私達こんなヒトで~す、って。私達自身、まだまだまだまだ顔売れてないから」
「…、
(まだまだまだまだ顔売れてないから、なんて悲しい現実、そんな嬉しそうなカオして言うなよ…。
ああ、でも、本当孤高な麗人チーターみたいにキレイな吉乃さん。
切れ長なエロい目で、物欲しげそうに俺を見てる吉乃さん…。
俺が欲しいならナイトアンドデイ、いつでもあげるよ?
(-いや、結構です。って言うか、全然っあなたをそんな物欲しそうな目で見てませんからっ。by吉乃夏美)
んで、彼氏彼女な恋人同士なのに、なぜか名字で呼び合ってる俺達…。
西日本のとある町での昔なじみ、ガキの頃知り合って以来のクセが抜けない俺達。
ねえ、いつになったら俺達、フツーに名前で呼び合えるようになるのかな…。
いや、待てよ。
とりあえず今は何だか知らんけど、異常に嬉しそうなカオしてメシ作ってくれてる吉乃さんの言う事、聞いてやるとするか…)
-ちゃんと手ェ洗ってるし、玄関入ってすぐのたたきに吉乃さんの通勤靴が見えたから、
あっ、帰ってきてるラッキー今日のメシ何~?ああ~早く久しぶりに会いてえ~やりてえ~『ただいま~♡』って声かけたよ。
でも、何にも反応ねえから、仕方なしに黙ってキッチンまで来たんじゃん。ちょっと渡したいモノもあったし-」
「…な~にが
『久しぶりに会いてえ~やりてえ~』
よ。たった数時間前の今朝に、ちゃんと顔合わせて、お互い今日もお仕事頑張ろう~オ~ッ、って言いませんでしたっけ? もう忘れちゃったの? キミ、もしかしておバカですか?
(圭樹くん…、じゃないケーキくんって、ホントにパッと見はカッコいいのに、どうして口を開けばこんなにおバカな事ばっかり言うんだろ…。しかもかなりのエロ魔神…。ああ、カッコいいだけに、何か惜しい…。
ほらほら、今だって何か変な冗談言おうとしてこっちジッと見ながらニヤニヤ笑ってる…、
って言うか、この笑顔は怪しい。なんかろくでもない事考えてる時の顔してる…、私の直感、寒気がしてるもん。とにかく話題変えよう、うん。それがいい)
ケーキくん、とにかくお疲れさま。早くご飯食べよう…」
「-数時間前、なんて、俺にとっちゃあとっくの大昔だから。
だいたい最近、俺達お互い忙しくてさあ。すれ違い気味だったじゃん。
(よし、ちょっとここら辺で今さらだけど、壁ドンしてみるか。
お~っと、俺の両腕に挟まれて身動き取れなくなった吉乃さんが一瞬怯んだカオした…。いつもは気の強い吉乃さんの、この弱気が垣間見える瞬間-、あっ、たまんねえ~。
“やっぱりろくでもない事考えてる~!”
って涙目で訴えてるけど、何だよ? “ろくでもない事”って。俺は吉乃さんが喜んでくれる事を至上のよろこびにしてる、ただの奉仕♡好きなドMだって言うのに~。
…誰だ?、ドMぶってるドSって陰口叩いてんのは?)」
「…ケ、ケーキくん、近すぎ…、か、顔が…、顔が、近い…」
「近づいてんだもん、当然じゃん。ーねえ、これから食べたい。俺、あんたの-」
「ケーキ! ケーキ! ケーキ!食べよう! ケーキくんの好きな甘いあっま~いエグいぐらい甘いストロベリーケーキ。買ってるから食べよっ!」
「…へっ? ケーキ?」
「そっ。ケーキ食べよ♡
(“ケーキ”って単語ででかなり顔つきと目つきが普通に戻った…。やっぱり相当甘いモノ好きなのね。分かってたけど)」
「…って言うか、これ何? 何で耳にブルートゥースイヤホンしてんの?
俺と話してる時に、誰と話して-、
はっ、まさか、男!? 間男!?」
ふと気づいた、と言わんばかり、至近距離からの切羽詰まった-しかし、どこか危険な色を帯びた声音の-指摘に。
あっ、バレた? でも、間男!って言い方…、何それ、コワ~いっ、
と悪びれもせずケロッとして。逆にどこか嬉しそうにブルートゥースイヤホンを耳から外し、圭樹くんにかけてあげる吉乃さん。
途端に圭樹くんのお耳に軽快だが、どこか哀愁も感じられる音楽が。
♪フフフフフ~ン♪ フンフッフッフッ♪フンフッフッフッ♪フンフッフッフッフッフ~♪
♪枯れていく~…♪
「…なるほど、吉乃さんのハミングの正体、ね…。前奏…。音楽聴きながらメシ作ってくれてたワケか。だから、俺の帰ってきたのにも気づかなかったってワケね…、なるほど。そ-言うワケか…」
「そうそう。ごめんね、ケーキくん声かけてくれてたらしいのに反応が遅れちゃって。
でも、いい曲でしょ~?」
「うん、いいね。いい声だし。メロディーもいい」
「さっきからいいね~、ばっかり言ってるよ、ケーキくん。フフフ。
…藤井風くん、いいよね~」
「んっ? フジーカゼ? 誰、それ?」
「えっ? ケーキくん、風くん知らないの!? うっそぉ~。マジですか?
…この、ヘンタイ非国民~!」
「…仕事で忙しくって、ゆっくり音楽効いてるヒマなんかねえんだよ。
って言うか。何だよ? だいたいヘンタイ非国民って…、そんな俺って存在を全否定するみたいな、ヒドい言い方…」
うっすら涙目になって抗議している圭樹くん。それでも、吉乃さんは一切気にせず続け。
「だって、藤井風くんだよ~。
映画やドラマの主題歌うたってヒット連発、年末のアカシロ歌合戦にも二年連続で出演した国民的ミュージシャンだよ~。世界的なツアーも成功させた、日本が誇るシンガー。ピアニスト。
何で知らないの~?嘘だよね? 嘘って言って~、お願いっ」
「年末のアカシロ歌合戦に二年連続出演…、海外ツアー成功…、へえ、確かにスゴい。国民的ミュージシャンだわ。
(吉乃さん、急に饒舌になったな…、赤い顔して必死に言ってる…。
そんなに好きなん? フジーカゼの事。ちょっと僕ちゃんジェラシー。でも、必死に説明しようとしてくれてる顔が…、カワイイ♡こいつめ♡ ←惚れた弱み)」
「でしょ? それなのに、何で知らないの~? 風くんを知らないなんて、絶対ヘンタイだよ。
西日本出身、私達の故郷、西日本が誇るミュージシャンだよ!」
「…さっきから、やたら西日本西日本って西日本を全力アピールしてるけど。くくりがデカすぎじゃね? 西日本のどこどこって言ってくれないと? どうせ言うのなら、もっと分かりやすく詳しく教えて~」
分かったわ、と水を得た魚のごとく、ここぞとばかりに吉乃さんの、説明が嬉しそうに始まり。
「え~っとね、
藤井風くん。
岡山県里庄町出身。身長は181センチ。血液型はB型。
いっぱいヒット曲あるけど、代表曲は
『死ぬのがいいわ』
これ、世界的に売れた曲ね。アカシロ歌合戦でも歌って、印象的なパフォーマンスされてたよ。あと、
『きらり』
これは、CMソングね。あとは、
『まつり』、
これは名曲だよ~。
あと。私がさっきまで聴いてた、
『花』
これはドラマ主題歌。あとはね、バスケのテーマソングにもなった、
『Workin’ Hard』
むちゃくちゃクールでカッコ良くて、普通に誰が聴いても私と同意見だと思う~。で、一番最新の
『満ちてゆく』
は、映画主題歌だよ♡
とりあえず、どの曲もめちゃくちゃ良くて、何度でも聴きたくなる名曲ばっかり~。
今ね、ベスト出してて、サブスクのApple MusicやSpotifyで配信してるから、無料アプリで聴いてみて。藤井風くんの音楽が一度でたくさん聴けて、その良さがよく分かるから。
もちろんレコチョクでも、既存の曲なら一曲一曲ダウンロード出来るよ。
YouTubeに風くんのチャンネルがあるから、いつでもMV見られるし。YouTubeは風くんがお子ちゃまの時からの天才的なピアニストぶりが堪能出来るし。
去年はアジアツアー、つい最近はU.S.ツアーを成功させた令和の天才。今度8月24日、25日に日産スタジアムでツーデイズライブがあるし。
でも、チケットが中々取れなくてね…。風くんの人気がスゴすぎて。
-あっ。そうそう。
実はね、数日前に、Tシャツの通販があったの。でも、運が足りなくて買えなかった…。残念だったけど、あきらめる。
さてさて。そして、何よりラスト~」
「(…吉乃さん、スゲえ熱弁だな。質問受け付けずに一人で喋ってる。瞳孔開きっぱなしだし。なんか、興奮と熱量がスゴ過ぎじゃね? 『やば』。
でも、こんな様子の吉乃さんもレアだな。こっそり動画に撮ってパソコンに保存したい…。いけね、コーフンしてきた。こんな事でコーフンって、俺も、イー加減『やば』いな…)
…で。何より~?」
「本日6/14は。風くんのお誕生日なの。だから、ケーキくんとお祝いしようと思って、ケーキ買ってきたの」
「誕生日…、
フジーカゼの誕生日を吉乃さんと俺の二人で?
だからケーキ…。
マジか、いつも呼んでくれてる、俺の『ケーキくん♡』って呼び名からケーキを連想してくれたワケじゃなく…、いいよ、いいよ、分かったよ。お祝いしよう。
つか、どんだけフジーカゼの事が、好きなんだよ、いつからだよ? そんなにハマッたの。
-いや、最近よく有線イヤホンしてんな、何か好きなミュージシャンがいるんじゃないのかな、なんて薄々気づいてはいたけど。
吉乃さん、あんた~」
俺のライバル発見~☆、と軽い口調の割に、ガックリ肩を落とす圭樹くん。
吉乃さんが、あっ、どしたの? ケーキくん、肩が痛いの? 肉離れ? と、場にそぐわない、間の悪い言葉を口にした時-。
♪フフフフフ~ン♪ フンフッフッフッ♪フンフッフッフッ♪フンフッフッフッフッフ~♪
本日二度目に聴くハミングの正体-、
藤井風くんの
『花』
の前奏部分が、圭樹くんと吉乃さんの間で高らかに流れ。音の出所を探ると、どうやら圭樹くんのズボンのバックポケット辺りから聞こえてきており。
圭樹くんがスマホを取り出し画面を見ると。そこには、会社の同僚である『広峰』の名前が。吉乃さんの訝しげな視線を交わしながら、圭樹くんが電話に出ると。
「圭樹、俺だ。着メロの具合どうだ? ビックリしたろ?
いやあ、お前がこの前の会社のカラオケ大会でさ、室長が歌う藤井風の曲聴いて、いいねえ覚えたい、って言うから、ダウンロードしてやった時、ついでに着メロに設定しといてやったよ。
これからお前、電話が鳴るたびに藤井風が流れてイヤでも覚えられるぜ。よく気がつく俺に感謝しろよ、ああ、礼なんかいらねえから。またお前んトコの夏美ちゃんのメシ食わせてな。それと、買えたか? この前あったって言うTシャツの通販-」
瞬殺で電話を切った圭樹くん。ただ間が悪い事に、ついいつものクセでスピーカー機能にしており。そのせいで、全ての会話が吉乃さんに丸聞こえ。
「会社のカラオケ大会…」
「…この前な、ちょっとあったんだよ。新入社員との親睦を兼ねて。あれだよな、この令和の時代になあ、親睦会って『何なんw』って感じ~?アッハハ~」
「何それ? 乾いた笑い。風くんの曲のタイトルをギャグの代わりにしないで~。不謹慎だわ。プンプン
って言うか。藤井風くんの曲…、ダウンロード、着メロ…」
「広峰が、一曲だけ覚えるんなら、ダウンロードのがいいぜ、って…。ただ、着メロに設定されてたのは知らなかったよ。あいつ、勝手に…」
「……Tシャツ通販…」
「-…」
「-…」
「-ゴメン。 吉乃さん、嘘ついてた。こうなったら全部話すよ…。
俺、吉乃さんがフジーカゼ好きなの、気づいてたんだ…」
やおらの顔を真っ赤にしての圭樹くんからの告白に。吉乃さん、とっさに言葉が出ず、しばし無言。けれど。
圭樹くん、頑張って続ける。
「だって…、分かるよ。吉乃さんが、その時どこを見て、何を聴いてるかぐらい。…俺、吉乃さんの事しか見てないから。
ここ最近、フジーカゼの曲、よく聴いてた…」
「よく分かったね。隠すつもりなんか更々なかったけど。
そうなの、友達のヒナにすすめられて、それからよく聴くようになったの。ちょっとお仕事でイライラしてる時に、
これ聴いたら癒し効果で、夜グッスリ眠れるよ、
って。そしたら本当によく眠れて…、圭樹くんもお仕事で忙しそうにしてたから、その内一緒に聴ければいいなあ、なんて…」
「だから、俺…、俺もフジーカゼ聴いてみようと思って…。で、ネットとかでフジーカゼ調べてたら、Tシャツの通販がある事に気づいて…」
「-」
「さっき宅配ボックスに入ってた。あげる、あんたに」
モゴモゴとつぶやきながら。モゾモゾと。玄関からキッチンまでの廊下にコッソリ置かれていた包みを持ってきた圭樹くん。
それを渡された吉乃さんは、驚きに目を丸くし。
「-って、えっ、Tシャツ!! どしたの? 買えたの!? あんなに激戦だったのに!?」
「うん。素人の最初のギャンブルみたいに…、ラッキーだったんだろーね。何とか買えた。
多分俺は、今回の通販で一生分の運を使い切ったと思う…」
「それは、ダメだよ。これはケーキくんのだよ。ケーキくんが、激戦をかいくぐって頑張った結果…」
「あのね。それ、あんたのサイズで頼んでるから。俺じゃ着られねえの。
…着てよ、吉乃さん。あんたの方がフジーカゼのファンなんだから。
こう言ったモノは、本当に好きな人間が着てこそ価値があると思うから」
「圭樹くん…」
ためらいながらも、ありがとう、つぶやく吉乃さん。わずかに考えた後、圭樹くんにニコリと笑いかけ。
「…じゃあ、今度は私が日産スタジアムのライブの二次抽選にチャレンジしてみる。どうなるか分かんないけいど-、
もしゲット出来たら、一緒にライブに行こ?
で、『まつり』が流れたらサビの部分、一緒に踊ろ?」
「俺、振り付け知らねえから、踊れない…」
「大丈夫! YouTubeのMV見て勉強すればいいから、今から頑張ろう!
…って言うか、先にチケットが取れるのか、どうか…」
「まあ、いいじゃん。それは俺らじゃどーしよーもないから。どうなるか分かんねえし。
まさしく、“神のみぞ知る”だよ」
「そうだね…、とりあえず、今は出来る事から手をつけようか」
「そうそう、だから、とりあえず叫んでみようか? フジーカゼに届くかどうか分かんねえけど」
「…うん、分かった。じゃあ行くよ?-せーの~」
『風くん、
カゼ、 お誕生日、おめでとう~🎉
風ちゃん、』
「えっ…?」
「んっ? 急に何か、俺ら以外にもう一人の声、しなかった?
地獄の底から響くみたいな…、怨念を感じる…」
「…気のせいだよ、きっと。
いや、違うかな、多分…、あの人が叫んだのかも…。
あの人も風くんが好きらしいから」
614 ハッピーバースデージャム☆
the end
☆おまけ☆
ちなみに。アボカリン☆ 、はTシャツ、ゲット出来ませんでした…。
吉乃さんがうらやましい…。持つべきモノは、やはり優しい相方…(T^T)トホホ …
2024.6.14
☆~追加~☆
風ちゃんが。日本時間6/15、 Instagramに降臨してくれていた~🎉 ありがとうございます~。
ちっちゃい風ちゃん、可愛かったなあ🤗…
…と。ここで。6/16夕方4時頃。バースデー関連の画像、Instagramストーリズ。風ちゃんが、投下してくれました~。
バルーン🎈が可愛い。そう言えば、新しい歌が やってきてくれるかも、との前日の投稿でのメッセージ。楽しみで仕方ない🥰
風ちゃん、待つ楽しみを提供してくれて、ありがとう~(∋´∀`∈)
日本の六月を彩ってくれるお花、紫陽花。風ちゃんの誕生月に相応しいお花ですね。大きくて、華やかなのに、自然体。
素敵。
~後日談~
「…吉乃さん、吉乃さん!? 知ってる? フジーカゼが何か、タイソーなモノ、もらったみたいだよ~」
「…だってさ。スゴくね?」
「うわっ、本当だ、スゴい~! 風くん、やるなあ…。何だかこっちまで嬉しくなっちゃうね~…、
んっ? って言うか、何でケーキくん、そんな事知ってるの? ファンである私より早く」
「だって、朝の情報番組で言ってたも~ん。日テレ系で。
んっ? 吉乃さん、まさか、ファンのくせにマジで知らなかったの? フジーカゼのいい話。こうやって俺に言われるまで?」
「…だって、スマホの調子が悪いんだもん…。情報収集出来ないから~。仕方ないじゃない」
「スマホじゃなくても、どんな媒体からでも情報収集は出来るよ~。
カゼ、いいよね~。いい曲うたってるわ~。
♪わたしのさいごはあなたがいい~♪
♪ も~ええわ~♪
♪も~え~よ♪あしたなんかく~るとお~もわずにも~え~よ♪
♪ロンリ~ラプソディー~♪
♪みちて~ゆ~く~♪…(圭樹くん、上機嫌な鼻歌ですが。きりがないから、強制終了)」
「何、気持ち良さそうに一人カラオケなさってるんですか? って言うか、何気に私よりレパートリー増えてない? 圭樹くん、いつの間に、そんなにたくさん覚えて…」
「日産スタジアムに行く前に覚えとかなきゃ~。カゼの曲に酔いしれる吉乃さんと、僕ちゃん、感動を共有出来ないじゃ~ん」
「-まだ行けるかどうかも分からないのに、気が早い~。圭樹くんの熱量とパワーが、スゴすぎる…(若干、引き気味)」
「だって、吉乃さんにすすめられて聴いたら、いい曲ばっかりだったんだもん。そりゃあ、ハマるさ~。当たり前~。俺のスイートハニー吉乃さんと同じぐらい、僕はフジーカゼの音楽にハマりそうだよ~」
「そっか…、よかった…、こないだより、幾分…、ううん、かなり熱い調子でよかった…(やっぱり若干、引き気味)
…とりあえず、風くんにお祝い言おうか?」
「いいよ、じゃあ、せ~の~…」
「風くん
カゼ おめでとう~!!」
風ちゃん💛
「-んっ? また俺ら二人以外の声がしなかった?
相変わらず地獄の底から響く…、怨念チックなような…」
「…聞こえた。やっぱり、あの人だね。好きって言ってたもんなあ、あの人-アボカリン☆ さん。この前も楽しそうに話してた。
藤井風くんの事、大好きなんだって。寝ても覚めても、昼も夜も、そればっかりアタマにあるんだって~。
…まるで、私がケーキくんの事ばっかり、考えてる時と、おんなじじゃない~、
な~んてね。思っちゃった☆」
「-はい? 吉乃さん? 今なんつった? お願い、もう一回-」
2024.6.20