――いつだったか、聞いたことがある。
「人の脳には、不思議な力があるんだって!メカニズムはわかってないらしいんだけど、強く強く願ったことが現実になることもあるらしいよ?」
確かに強く願ったかもしれない。それは否定しない。
だが一言だけ言わせて欲しい。
「物事には限度ってものがあるでしょ!」
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
(……なんて、誰に言えばいいのかしら。)
自分の置かれている状況を受け入れたくなくて、マユミは盛大なため息をついた。
吉澤マユミ。
新人看護師として就職したばかりで、理想と現実のギャップに戸惑いながらもなんとか働き、休みの日には彼氏や友達と過ごすなど、至って普通の毎日を送っていた。
――昨日までは。