2022年頃の東寺・ガラクタ市にて古書類を購入しました。

大正元(1912)年8月付の福井銀行河和田代理店(今立郡河和田村)関係書類3冊。

店主曰く、誰も購入しないから買ってくれて有難い、とほぼ無料のような値段で購入。

3冊の名称並びに概要は以下の通りです。

・「大正元年八月 日々報告書綴 福井銀行河和田代理店」

・「大正元年八月 小口當座台帳 福井銀行河和田代理店」

・「届出印、個人名刺及び個人出納帳(仮名)」※表紙消失により名称不明

 

〇「大正元年八月 日々報告書綴 福井銀行河和田代理店」

大正年間における河和田代理店の入金額、出金額など経営状況を記した報告書綴。

所属支店である鯖江支店と緊密に確認を行っていました。

大正初めには葉書・書簡を通じて連絡をしていたことが伺えます。

銀行の葉書にも複数のデザインがあったことがわかります。

(上)鯖江支店の書簡類

(上)実際に使用された河和田代理店宛ての書簡

中には別行である越前商業銀行の報告書葉書もありました。

同行は本綴が作られる直前の明治45(1912)年6月に合併消滅しており、その名残で使用されたものです。

(上)元本記帳証明

葉書による連絡は徐々に途絶え、代わりに専用便箋によって確認がとられるようになりました。

機密情報という観点から転換したのでしょう。

 

〇「大正元年八月 小口當座台帳 福井銀行河和田代理店」

口座の出納記録などが記載されていました。

 

〇「届出印、個人名刺及び個人出納帳(仮名)」※表紙消失により名称不明

各口座の個人名、届出印、名刺など口座に関するあらゆる情報が記載。

当時の代理店で最も重要な顧客情報をまとめた冊子です。

地元の織物商、漆器商、文具商から組合まであらゆる商業関係者が利用していた事がわかりました。

 

骨董市ではこうした地方の金融、経済に関する資料が手に入りやすいです。

現在は消滅した金融機関の「代理店」の姿を垣間見ることができました。(終)

 

2025年3月 福井銀行さまに寄贈しました。