ホウ酸団子 | 富士の裾野で想うVet

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地方獣医の徒然記

犬が、ホウ酸団子を食べてしまったと電話あり。


聞くと市販品のプラスチックに入った物を、

ガジガジと噛んで食べたかもしれないと言う。


自家製のホウ酸団子だと、

濃度が50%を超えるように作っていたりするようで、

食べた量にもよるが、中毒になる事もある、と言う。


と言うのも、

今までホウ酸団子を食べての中毒や

危険な状態になった子の治療をした事がない。


今回のように、市販品のホウ酸団子のケースを

齧ってしまったと言うケースは、時々ある。

と言っても、年に1回あるかどうかだが。


その場合も、ほとんど症状もなく、

流涎や下痢・嘔吐のような軽度の物もなかった。


市販品が15%ホウ酸で10gの団子とすると、

ホウ酸は1.5g含有。

10kgの犬が誤食したとすると、

体重1kgあたり 0.15g。


50%で10gとすると、5g含有。

10kgの犬で、体重1kgあたり 0.5g。


この位の量だと、中毒量が体重1kgあたり3gなら、

ほとんどは症状も微々たるものか。


犬の体重にもよるし、

年齢(幼犬や老犬は負担増に考える)や、

その時の健康状態にもよるが。


飼主さんから見たら、

ゴキブリが死ぬものを食べたのだから、

心配にはなるのは仕方がない。


その時は動物病院に電話して、

どうしたら良いかを聞いてみるのが適切。

診察を受けて、早期に処置をすれば安心です。


一番は、犬猫が誤食しないようにする事。

大量に食べれば、どんな物でも危険物になる。

過度に心配症になる必要はないが、注意は必要。


ホウ酸団子に限らず、

家の中には注意が必要な物がある。


電気器具のコードしかり。

観葉植物しかり。

ペットボトルのキャップしかり。


小さい時からの躾が重要だが、

大きくなってからは、飼主さんの用心が必要。


催吐させて出させる事が出来る物なら良いが、

場合によっては内視鏡手術や

開腹手術が必要になってしまう場合もある。


しなくても良い手術をしない為にも、

飼主さんは、注意を怠らずに、

物は下に置かず、悪戯しないようにする。


危機管理は、飼主さんの仕事です。