死因不明社会 | 衝動記

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自分の心の中の衝動を文字や文章にして表してみました。

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以前、記事で予告したAi(オートプシーイメージング)の件で記事を載せると予告して伸び伸びになってしまいましたが、ようやく記事に載せられるので今日はAiについてです。

まずは皆さん、Aiってご存知ですか?
海藤尊先生の小説を読んでる方ならご存知かと思いますが、読んでない方を前提に話を進めようかと思います。

Aiとはオートプシーイメージングの略で死後画像、死後診断の事を言います。
かいつまんで説明しますと、
遺体をCTやMRIにかけて遺体の内部を検査する死亡時医学検索の検査の一つです。

現在死因究明の為の検査は解剖があります。
解剖には
司法解剖、行政解剖、病理解剖の三種類ありますが、解剖制度は崩壊してると言っていいでしょう。
厚生労働省が発表した解剖率はどれくらいだと思いますか?
最新のデータ(2009年)で2.7%です。
これは海藤尊先生のHPでも公表されてるデータです。
http://author.tkj.jp/kaidou/2011/08/post-55-2.php
100人亡くなって死因がわかるのが二人。これが日本の現状です。
皆さんは心不全、呼吸不全、肝不全という言葉を聞いた事はありますか?
これらは全て病気ではありません。遺体の現状を表してるに過ぎません。
心臓が動いてないから心不全、呼吸をしてないから呼吸不全、肝臓が動いてないから肝不全。
そんなの当たり前だろうという方が仰りますが、これは死因じゃないですよね?
ではなぜ現場の医師はそのような記載をするのか?
別に現場の医師はサボっているわけじゃないです。
現状では解剖しないと死因が調べられないのですが、事件性がないと司法解剖はできません。
遺族の承諾が必要な行政解剖や病理解剖があるのですが、遺族に解剖が断れるケースが殆どですので、現場の医師は解剖を積極的に勧めなくなります。
遺族側も事件性がないのに医師に解剖を勧められると何か医療ミスがあったのでは?と疑念を抱く場合もありますし、何より判明まで時間がかかる上、遺体を切り刻まれて戻ってくる解剖に抵抗があるのは当然です。
じゃあ司法解剖はどうなのか?
これは検死官や検死官を代行してる警察官が事件性ありと判断すれば有無を言わさず司法解剖になるのですが、検死官や警察官は民間に委託してる警察医の診断で判断するのですが、診断は遺体の体表を見て注射一本射って反応がなければ心不全でお仕舞いです。
ちなみに司法解剖の解剖率は約10%です。

これを崩壊してる言わずして何をもって崩壊してると言うのでしょう?
色々と理由はあります。
解剖には遺体一体25万円掛かり、医療費の対象外だから病院は二の足を踏むとか、警察庁も司法解剖に掛かる予算を年間5000体しか確保してないとか、法医学者が足りないとかあります。
これらを解く鍵としてAiの導入が必要なんです。
Aiは上記の欠陥を解決可能です。
まず予算はCTで1万円、MRIで2万円から3万円。解剖よりも予算が掛かりません。
遺体を損壊しないので遺族感情も害しませんので遺族の拒否例はゼロです。
しかも診断まで時間が早い。CTで一時間、MRIなら30分程度で診断可能です。
マンパワーも現場の臨床医ならCTを見て診断できますし、MRIを使う放射線科医まで加えると現状の医療現場でマンパワーの確保は可能です。
逆にAiの弱点は解剖に比べると死因究明率がCTで30%、MRIで60%くらいと言われています。
しかしAiで死因究明できなかった遺体は解剖を勧めれば解剖率はグンと上がりますし、Aiで死因究明ができた遺体と併せれば現状の制度とは比べ物にならないくらい死因究明ができます。

しかも医療現場では着々とAi導入に向けて準備ができてます。
例えばAi学会というのもできてますし
http://plaza.umin.ac.jp/~ai-ai/
Ai情報センターというのも既にあります。
http://www.autopsyimaging.com/

今度の震災でも現場の医師は遺体にAiをかけたいと要望したのですが、警察の許可が得られなかったという事がありました。
これらの経緯については海藤先生のHPに詳細が載ってますので是非お読み頂ければと思います。

http://author.tkj.jp/kaidou/2011/07/post-54.php
http://author.tkj.jp/kaidou/2011/08/post-55.php

この件については自民党内でも議論がされたようです。
橋本岳前衆議院議員のブログに模様が記載されてますので、こちらもご一読下さい。
http://ga9.cocolog-nifty.com/blog/110905Ai_ishinomaki.html

Aiについては今日はここまでです。
これは色々と根が深い問題が横たわってるので一回で語りきれる問題ではありません。
これからも定期的に記事にしたいと思います。

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