あせっちゃダメだけど、少しはあせった方がいいと思う

あせっちゃダメだけど、少しはあせった方がいいと思う

会社が倒産しそうになっている経営者のブログ

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すっかり更新が滞ってしまいました。気が付けば1っカ月以上になります。
 
仕事が忙しくなったり環境の変化等があったからなのですが、ブログが継続して更新できないなんて自己管理能力が低い現れなんでしょう。これだからブログを始めた当初のように、窮地に立たされるんでしょうね。
 
最近はコロナウィルスによって、さまざまな業種が岐路に立たされています。さらにオリンピック延期も重なりましたから、倒産やリストラも今まで以上に加速するでしょう。
そんな中でもこれを機に新しいビジネスが生まれているのも事実で、世の中の仕組みが変わっていきそうな気がします。
 
時事ネタはこれぐらいにして、前回の続きを書こうと思います。
前回はEさんの投資先の会社が、倒産しそうになりながらソフトランディングを目指せる所まで書きました。しかしEさんはさらなる苦難に見舞われるのでした。

降りかかる悪夢

Eさんは知り合いのツテを使って事業譲渡を進めて行く。従業員やお客さんに出来るだけ迷惑を掛けない様必死だった。
もちろん譲渡が上手く進まない案件もある。その中でも衝撃だったのは、信頼していた幹部連中の一部に裏切り者がいた事だった。その幹部は事業の担当なのをいい事に、創業者と結託して事業譲渡の妨害をしていた。
これはボクとEさんはおかしいと思って、譲渡先に直接会ってみたら判明した。信頼していた部下だっただけに、Eさんは精神がかなり不安定なる。
さらに追い打ちをかける様に、当時付き合っていた彼女からも別れ話が切り出された。もちろん理由は彼のおかれている状況であった。
Eさんは「きーさんどうしよう…」と言葉を詰まらせた。ボクは「引留めるのもいいけど、一旦距離を置くのも手だと思うよ」冷たいようだけど、一度女性の気持ちが離れてしまったら、そう簡単には戻らないと思っているからだ。
これがきっかけとなって、Eさんはさらに精神状態がおかしくなってくる。
でもこれからが本当の悪夢の始まりであった。

前回はEさんの投資先の会社の資金繰りが苦しくなって、ボクが一時的に資金を貸すようになったまでを書きました。
この会社は従業員もかなりの数いたので、倒産していたらかなりのニュースになっていたかもしれない。またこれから創業者の容赦ない攻撃が始まるのでした。

毎日が緊急事態

資金繰りが安定したからと言って、会社が潰れそうなのには変わらない。そこでEさんは次の一手に出た。具体的には事業譲渡や各買掛先への支払いの猶予で、なるべく大きな被害にならないように最善の手を尽くしていた。


一方ボクはEさんを手伝いつつも、会社の運営を一手に引き受ける事になった。そうなると毎日朝から電話がいっぱい掛かってくるし、送られてくるメールもとんでもない数になる。これはさすがに大変だった。
一方創業者は妨害の手を緩めない。まずは代表取締役の退任を行い、取引先やパートナー先に「Eさんのせいで会社が潰れそうになった」と噂を流し始める。早く倒産させてビジネスの乗っ取りを考えていたのだろう。


そしてある日の朝銀行口座の差し押さえが起きた。それもほぼ全ての銀行で、相手は主要取引先の連名であった。これも創業者が裏で手を引いていたのだろう。辛うじていくつかの銀行は取引可能だったので、何とか難を逃れたが会社としてはかなり動きが取りにくい。
また前回書いたけど許認可事業の不正疑惑も、創業者が仕掛けた罠だったのが後で判明した。結局は許認可取り消しが決定され、会社は致命傷を負う事になる。


ボクは運営業務を取り仕切りながら、Eさんのサポートを可能な限り行った。


そんな中少しずつ事業譲渡も決まりかけ、ソフトランディングが見えてきた。でもまた大きな事件が起きるのであった。

前回はEさんの投資先の社長を追い詰めた所までを書きました。
この頃は毎日いろいろな事が起きて、自分の仕事が手につかないぐらいの忙しさでした。
今思えば投資先の社長はEさんの資金が尽きそうになったのを知り、早く倒産させようと考えていたのでしょう。
会議参加
Eさんに頼まれて会議に参加する事になった。普段のボクならどんな会議かも聞かずに参加するなんてまずありえない。でもEさんは困っているし、投資先の社長が許せない気持ちでいっぱいだったボクは、Eさんの為ならと意気込んで参加した。

会議開始早々資料が手渡された。資料は資金繰り表で、それを見た瞬間に会社が危機的状況であるのを感じ取った。資金繰り表には10日後に資金が底を尽きるのが示されていた。ただ一時的にしのげれば月末には入金があるので、その間の資金が必要だというのはすぐ理解できた。ただ普通の会社員では到底用意できない金額だ。

ボクはなぜ参加を頼まれたのかすぐに理解した。会議の最中もEさんは下を向きっぱなしで、ボクを見ようともしない。ボクは「きっとEさんはボクに資金援助を頼みたいのだけど、言いにくいんだな」と思った。そしてボクが気持ちを固めるのに、そう時間が掛からなかった。もちろん一瞬躊躇したが乗り掛かった舟だし、もう後にも引けない気持ちでいっぱいだった。

「内容はわかったけど資金はいつ戻せるの?」とボクは経理部門の責任者に聞いた。場が一瞬静まり会議室に緊張が走る。責任者は「月末には戻せると思います」と話す。ボクは腹を決めてこう告げた。「では資金を用意する。ただすぐにとは行かないので、少し時間が欲しい。この資金繰り表を見ると10日後がデッドラインだから、2日前までにに用意すれば問題ないでしょう」
責任者は「問題ありません」と言ったので「ではそれまでに用意しましょう。但しどんな理由があっても月末には返金するように」と話して会議を終了させた。
 
このやりとりの最中、ボクはEさんを見る事はしなかった。もし見ていたら彼の面目が潰れてしまうからだ。ただ帰り際に「ちゃんと返してね」と告げて部屋を出た。きっとEさんはずっと頭を下げたままだっただろう。
 
そして今後資金繰り会議には毎回参加するようになった。
Eさんは少しは心が落ち着いたかもしれない。だけど本当の地獄を味わう前の小休止に過ぎなかった。