弁護士小松の事件簿

弁護士小松の事件簿

権利は自分で守るものです。他人に権利を脅かされないよう予防できるものは予防し、防げるトラブルは未然に防ぎましょう。日々の生活において誰にでもおこりうるトラブルについて少しでもヒントにしていただけたら幸いです。約15年に渡る弁護士生活のブログです。

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  正確な定義は専門書に譲るとして、「債権者らしい外観(今回であれば預金名義人又は代理人)」を持っている人に過失なく支払った場合、有効な弁済として扱ってよく、その場合は債権が消滅するという条文です。




大量に預金事務を扱う銀行は、いちいち本人確認をしている余裕がないこと、支払いを拒絶すれば債務不履行のリスクがあることなどの事情があり、この条文によって免責されるわけです。




しかし、今回、裁判所は、債権の準占有者として、ゆうちょ銀行が払い戻した行為が効な弁済であったとは言い難いとして(民法478条の適用はなし)、当方の言い分を全面的に認めました(ただし、弁護士費用相当分の請求は棄却。)。




こちらとしては当然の判決ですが、過去の判例をみると、ゆうちょ銀行の払い戻しが有効であるという判例が多いようです。




弁護士費用相当額の損害は否定されましたが、銀行側の対応は、お世辞でも株式会社として、また銀行として適切とはいえませんでした。






長くなりそうなので、結論から言うと、



1000万円については、ゆうちょ銀行に対して被相続人への返還を求めたのですが、応じなかったため、一部の相続人の相続分(4分の1だったため、250万円)に遅延損害金、弁護士費用相当分の損害賠償を求め、東京地方裁判所に提訴しました。




 当方の言い分は、被相続人名義の口座から勝手に1000万円もの払い戻しを銀行がしたのだから、それを返還せよということです。



弁護士費用相当分の損害についてはまたの機会にお話しします。

 



そして、このような当方の言い分に対するゆうちょ銀行の言い分が、「債権の準占有者」への弁済をしたため、銀行に返還義務はない、とのことです。




 「債権の準占有者」。難しい言葉ですが、民法478条。有名な条文です。




ところが、実際に取引履歴が来たときには、被相続人の死亡した日(平成21年11月6日)の直後である11月25日に、1000万円の引き出しがあったことが発覚ビックリマーク





 死亡した方が銀行預金を引き出せるのか、というと、できません。





 にもかかわらず、引き出された記録があるということは、3つの可能性が考えられます。



一つは、誰かが引き出した。




二つ目は、同じく誰かが引き出したのですが、銀行内部で引き出された。




三つ目は、データ処理で引き出されたことにされた(つまり、銀行内部での横領)。



 


これはどれであっても犯罪です。




1000万円という多額の預金がなくなる。





 犯罪の可能性がある以上、回収できなくなる可能性もあるわけで、発覚後の相続人は冷静になれずパニックになるのも無理はありません。(つづく)



遺産相続事件(遺産分割事件)の相続財産を調査していた際、被相続人の銀行口座から1000万円が引き出されていたことが発覚するという事件がありました。


 被相続人が死亡した場合、相続人はまず、被相続人の預貯金があるかどうか(あったとして幾ら残っているか)、各銀行に問い合わせ、まず残高を確認します。


私が相談に乗っていた事件では、被相続人の銀行(ゆうちょ銀行)口座の残高が残高照会時に7,966円しかありませんでした。



他の銀行に預け入れしているのであろうということで、念のため、相談者である相続人にゆうちょ銀行の取引履歴を取っておくようにとアドバイスしました。

こんばんは 弁護士の小松です。







私が過去に受けた事件について、お話しさせていただきます。







同じような問題でお悩みの方の参考にしていただければ幸いです。







なお、現在係属中の事件などは裁判所の審理に影響する恐れがあり、また、守秘義務などの制約があるため、依頼者の同意があるなど、ほんの一部分になりますのでご容赦ください。