東海ぶらぶら -2ページ目

ロング・グッドバイ

村上春樹訳のマーローは12分くらいであげられた位のハードボイルドで、工藤ちゃんよりも濱マイクに近い柔らかさを感じました。
特に高額紙幣を見ながらニヤニヤしているところとか(笑)
準古典としてのハードボイルドとしてのロング・グッドバイの文学的価値は置いておいて、マーローらしい硬質感と独特の世界観を残したままに流れるように話を進めていく技巧はすんばらしいですね。
ハードボイルドというかミステリー好きの人で無いと読むのに少し苦労するかもしれませんが、最初の数十ページを過ぎればスラスラ読めるようになると思います。

翻訳夜話Ⅱ サリンジャー戦記

いや~、無茶苦茶面白かったですねぇ。
私は好きな作家の欄には必ず「村上春樹」と書くハルキストなのですが、実を言うと村上春樹の翻訳で「良かったな」と思ったのは"キャッチャー・イン・ザ・ライ"が初めてなんです。
村上春樹はどちらかというと「I」をしっかり訳すタイプなので、初期の翻訳は小説と比べると固すぎてスラスラ読めないのが難点でしたが、”キャッチャー”以降の翻訳では、主語も含めて原文に忠実に訳しながら(私はCather原作は大学時代10ページで挫折しましたのでちゃんと読んでいませんが)もスラスラ読める「村上翻訳文体」というものが確立された感があります。

翻訳夜話ではそこら辺りの裏話が満載で、翻訳という作業を通して日本語の文体が如何に構築されていくか?というひとつのケースが例示されています。
私も翻訳を通して日本語を勉強した口なので、共感できる部分が多々ありました。
翻訳に限らず「文体」に興味・関心がある方には必読書だと思います。


恩田陸

最近、嫁の生態ばかり書いていて、読み終わった本について何も書いていません。
ここんところ出張が多くて読む量がすごく多かったので、何読んだかも覚えていませんγ(▽´ )ツヾ( `▽)ゞ

まとめて読んでいたのは恩田陸。
一時期はまっていたのですが、また改めて未読の本を読んでいました。
「蒲公英草紙」、「ユージニア」、「蛇行する川のほとり」
と立て続けに読んだのですが、この人は本当に複層的に話が錯綜するストーリーを書かせたら秀逸ですね。
複雑系の傑作といえば「ねじの回転」ですが、その他の本も論理的破綻が非常に少ないです。

栗本薫にも見習って欲しいところヽ(゚◇゚ )ノ