comment allez-vous?のブログ

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第三話 


船長「そろそろ第三班が帰還する予定時刻なのだがのぉ」 


乗組員「船長!第三班ただ今帰還いたしました!」 


船長「うむ、ごくろ・・・っな!どうしたんだボロボロじゃないか!」 


乗組員「申し訳ありません、この星の裏側に位置する大陸の調査を行っていたのですが、その大陸の先住民たちにやられまして・・・船員三名が・・・犠牲となりましたッ!!!」 


船長「何だと!一体何があったんだ!」 


乗組員「ハイ、我々が向かったのは「不満の大陸」と名付けたこの宇宙船からもっとも遠い位置にある大陸でした。そこの先住民どもは非常に醜い見た目をしていました」 


船長「この星の住民は全てヒト型と聞いていたが」 


乗組員「ええ、確かにヒト型でした。しかし体は丸く小太りで、身長は1メートル40センチ程。肌の色は汚物の様な濁った茶色で、瞳はかすんでおり眼も細く歪んでいました。口元も常にへの字に結ばれており、時に口を開くとそこからは並びの悪い牙が覗き、常に悪臭を放っていました。ボロきれのようなものを身にまとい、体中が脂ぎっており、所構わず糞尿を垂らす。しかもそれを平気で自分の手で掴むような低俗な奴らでした。奴らはとても力が強い。そして血の気が多く、性格も歪んでいました。」 


船長「凶暴な奴らもいたのか」 


乗組員「奴らはいつも何にも満足することなく、この世のすべてに不満を抱いていました。たとえば今さっきまで一緒に歩いていた仲間ともほんの数秒後には流血を伴う殴り合い。自分の持っていないものを持っている奴を見かければ相手が女でも構わず奪い取る。そしてそれが壊れるとまた怒る。」 


船長「まるでケダモノじゃないか」 


乗組員「ええ、ですが奴らはずる賢さを身に付けています。我々が上陸したとき。彼らはある程度友好的に接してくれました。しかし彼らの宮殿に入ると門を閉ざされ、人質を取られました。そして調査船の中身をすべて寄こせと要求してきました。」 


船長「交渉は行ったのか?」 


乗組員「交渉を行う余地はありませんでした。奴らこっちが何かを言おうとするとすかさず大きな声で怒鳴りつけ、人質をつま先から巨大な石柱で押しつぶし始めました。」 


船長「何!?なんて残忍な奴らだ!」 


乗組員「調査船内の荷物をすべて運び終えれば石柱を止めてやると言われたので、従うしかありませんでした。」 


船長「だが、あの中には武器も含まれていたはずだ」 


乗組員「ええ、急いで強力な武器にはセーフティーを掛け奴らに渡しました。しかし我々が荷物を宮殿内に運び込んだときには一人目の人質はぺちゃんこにされ皮を剥がれている最中でした。とっさにショックガンで制圧しようとしましたが、奴ら自分の味方を盾にして突っ込んできました」 


船長「それで武器も奪われてしまったと・・・」 


乗組員「ええ、部下の一人はショックガンの試し打ちに十数発の弾丸を体に浴び、ミンチになってしまいました。」 


船長「くっ、くそうッ!!!」 


乗組員「更にやつらは自分たちの味方が死んだのは我々のせいだと言い始め、我々を人質にし地球に賠償金という名の身代金を求めると言ってきました。」


船長「なんて図々しいやつらだ」


乗組員「副班長が隙をついて催涙弾を発動させてくれたので我々は宮殿外に出ることができました。逃げようと思い調査船に乗り込みましたが船内にも奴らが居り、襲い掛かってきたところを副班長が差し違えて防いでくれました。副班長は我々を逃がすために、犠牲になりました。」 


船長「彼女はとても優秀だった。地球には旦那さんも待っていたというのに・・・」 


乗組員「最後に逃げる時に見えたのは奴らが粒子爆弾の箱を壊そうとしている所でした。」 


船長「粒子爆弾!・・・あれが箱のまま爆発したなら半径50キロが素粒子になる!ということはその大陸は・・・」 


乗組員「三人の船内スーツについていた位置反応が同時に消滅しました。恐らく大陸ごと消えたでしょう。死体も持って帰ることができませんでした・・・・」 


船長「そうか、殺された三人の船員に関しては悔やみきれんが、奴らは行き過ぎた不満によって自らを滅ぼしたという事か。」 


乗組員「誠に申し訳ありません・・・」 


船長「仕方がない。新たな地を開拓するには常に危険がつきものだ。君も医務室で治療を受けたまえ」 


乗組員「ハイ」 


船長「満足を求めるあまり、妥協を失った末路は全滅。我々も危うかった、ということか」