2000年代にはゆとり教育が導入されたものの、
想定していた成果があがることなく、この時代の教育を受けた者を「ゆとり世代」などと揶揄する
動きもみられ、学習指導要領の改訂にあたっては見直しが図られた。
この結果、今度は「確かな学力」の確立を目指し、「主体的・対話的で深い学びの視点」が導入された。
そして、この理想を実現するための教育手法として注目されるのがアクティブラーニングである。
アクティブラーニングという言葉からは、革新的な教育手法であるとも思えるが
本書によると、実はアクティブラーニングに似た教育手法は大正年間や昭和初期にも
行われていたという。本書では教育史の観点からアクティブラーニングによる過去の
取り組みを検証し、現在の状況への提言を行っている。
現在、教育現場では見切り発車的にアクティブラーニングの導入が図られようとしているが
本書を通じて、過去の検証と慎重な導入への検討を行うべきである。