現在、サブスクリプションの覇者ともいえるネットフリックス。
本書は、創業者であるマーク・ランドルフによる回想録である。
もっとも、創業前のマーク・ランドルフはeコマースでの起業を目指す
一介のビジネスマンに過ぎなかった。
成功へのターニングポイントとなったのは、現CEOリード・ヘイスティングスとの出会いである。
二人は、無数の試行錯誤の果てにDVDを郵送によるレンタルするという
ビジネスモデルにたどり着く。
しかし、順調に成功に至ったわけではなく、
ITバブルの崩壊という逆風を受けたり、社内での不協和音の発生、
従業員のレイオフという困難を乗り越え、
最終的に現在のサブスクリプションサービスというモデルを構築し、IPOを果たす。
この過程は、「不可能を可能にする」という本書のサブタイトル通りの
怒涛の展開である。現実は小説よりも奇なり、という言葉を地でいくような
内容である。
でノンフィクションならではの迫力を感じさせる一冊である。