小児の定期予防接種の4種混合ワクチン(ジフテリア、百日咳、破傷風、ポリオ)が消滅したので、1期追加の分を3種混合+ポリオにしてください、とお上から通告があった。でも百日咳が流行しているので、3種混合(3つの中に百日咳も入っている)ワクチンは小児医療機関で全く入手できない。お上は困って、7月末に「4種混合を5種混合(4種+ヒブワクチン)に変えて差し支えありません」との再度の医療機関への通達。
そうすると、どうみても1歳半頃に行うこの5種混合では、ヒブワクチンの接種が回数過剰になってしまう。4回で終わるものだが、5回になってしまうのだ。
安全性の問題や、早めに子供さんを助けるからいいんじゃないの、という議論はさておいて、僕はもっとせこい人間なので、違うことが不可思議なんだ。
個人の私のような医療機関で、回数過剰の予防接種をしてしまうと、下手をすると新聞沙汰になってしまうし、市の感染症対策からきついお達しをうけるだろう。でもお上が通達すると、過剰接種でもそれは全く差し支えなくなるのが、僕は不思議なんだ。
ワクチンのメーリングリストでも、お医者さんも「あー、子どものために良かったね」という感じで、あまり僕みたいに思う人はいないようだ。64歳なので、僕ももうどんどん鈍感になってきているので、これでいいのかな、とは思うのだが、何か納得いかないんだよね。
個がすると罪だけど、システムがすると全然OKというのをどんどん進めていくと碌なことはないんだよね。きなくさい世の中になって来たので言うけど、個の殺人は勿論犯罪だけれど、戦争による殺人は罪ではないでしょう。これもどうみてもおかしいよね。僕は大袈裟なのかな?
気になるのは、みんながこんな感じになると、国が戦争をはじめたら、みんな何も考えずにそれに進んでいくんだろうね。個の善悪を全く平気で逆にしてしまうシステムそのものが怖いんだ。
下記は2009年、イスラエルの文学賞「エルサレム賞」を受賞した村上春樹さんのスピーチ。この受賞には多くの賛否があったようですが、壁(システム)と卵(個)の関係の文章です。
Between a high, solid wall and an egg that breaks against it,I will always stand on the side of the egg.