本日は、宮尾登美子さんの豆本「花のきもの」です。




「花のきもの」は、「梅」「くす玉」「南天」の3編からなる着物の花柄にまつわるエッセイ集です。



「梅」では、黒字に一輪の大きな梅の浴衣の思い出から始まり、梅の花模様にまつわる思い出話が次々と続きます。

「くす玉」は、宮尾さんの幼少期からの一番のお気に入りで、7歳下の姪に譲る際の葛藤を細やかに書いています。

「南天」では、黒地に大柄な南天の柄の着物を振袖に仕立て直し、蒲団に変わっていく様子などと一緒に、それにまつわる人々とのエピソードを軽妙に描いています。



豆本「花のきものの装丁は、

本文〔デカンコットン 四六判70kg〕、署名紙〔生漉美濃〕、見返〔椿漉キ合ワセモミ紙〕、表紙〔著者着用着物地,背革/子牛〕、陶板(呉須象嵌色絵磁器)

縦84mm横64mm厚み12mm 限定300部発行 121頁 署名入り 昭和63年12月30日 未来工房

着物への愛着と思い出が美しく繰り広げられ、宮尾さんの半自叙伝となっています。


次回は、尾登美子さん豆本シリーズ最後です。 7冊目、豆本「女のこよみ」です。


ではまた。