大好きなあいみょんが主題歌を担当しているということで、かねてより観に行きたいなぁと思っていた「窓ぎわのトットちゃん」。いつもは忙しい金曜日だが、昨日だけは、共通テストの会場準備のため大学が休校になったので、一人でフラっと映画館に行ってきた。

 

 泣いた。何度も泣いた…。優しさを大切に抱きかかえるように、前向きに生きる人たちの姿に、幾度となく胸を打たれた。

 しかし、決して綺麗ごとではないのだ。むしろ、残酷な作品であると感じた。トットちゃんたちのような生き方や、ともえ学園での教育が、実は条件付きで実現していたものであって、社会が戦争へと突入していくと、否応なく瓦解してしまう儚い存在でもあることを、徹底的にリアルに描いていたからである。

 それは同時に、現代を生きる私たちへの問いかけでもある。

 「君は、今の社会は、トットちゃんのような子供たちを守れるか?前向きな生き方を貫けるのか?」と。

 間もなく教育者になろうとしている自分にとっては、自らの背負う重荷を自覚させられたような感覚でもあった。

 

 では、どうすればよいのか。
 この映画は、理不尽な現実に対する最たる抵抗とは、「希望を捨てないでいること」であると教えてくれたような気がする。
 
 一家が戦争に巻き込まれていっても、学校は空襲で焼け落ちても、生活がどんなに変わっても、心の中だけは、誰にも奪われない。そんな人たちの姿が、あの作品にはあった。

 

 そして、そのバトンをしっかりと受け取って、力強く前を走る人―それが、あいみょんだと確信した。

 私も、きょう、確かにバトンを受け取った。