作られた神話なんて書くと、日本の神話の事と思はれた方も多いと想ふ。古代史の專門家の多くは、さういふ説を唱へてゐるからだ。だが、今囘の話題は、朝鮮や支那の神話である。


朝鮮や支那の神話の多くは、政治的に作られたものである。例へば支那の黄帝。これは儒家に對抗して道家が作つた神話である。


儒家堯舜(古代の帝とされる)の御代を理想としたので、道家はそれより古い黄帝をでつちあげた。だから黄帝の神話はせいぜい二千年前に政治的にでつちあげられたのである。


朝鮮の檀君神話も、檀君黄帝と同時代といふ設定が全てを物語つてゐる。つまり、支那人が黄帝をでつちあげたあと、朝鮮人は檀君をでつちあげた


勿論、朝鮮の歴史は支那と同じくらゐ古いと主張する政治的意圖に基づいて創作された神話である。箕子朝鮮の神話は支那の史書にも存在するが、この朝鮮が現在の朝鮮半島を意味してゐるかは定かではない。


戰國の七雄といふ國があつたが、これは現在の韓國とは何の關係もない。多分、それと同じことである。箕子朝鮮半島を支配してゐたとは僕は信じられない。せいぜい滿洲の一部地域だらう。


だいたい朝鮮それほど歴史の古い國ではない奴國の王様が支那の皇帝から金印を貰つた頃の朝鮮は、やつと銅印を貰つた酋長がゐたにすぎない。


三國時代卑弥呼親魏倭王の金印を貰ひ、邪馬臺國の高官の何人かは銀印を貰つたが、朝鮮半島には王として認められた者も銀印を貰つた者もゐない


これでどうして五千年の歴史となるのやら僕にはさつぱり分らない。日本にらしきものができてがゐた時代に、朝鮮半島にはまだ新羅も百濟も高句麗も存在しない


それがその何千年か前に、統一國家と王が存在する筈がないではないか。因に魏の皇族以外で親魏王の稱號を受けたものは大月氏(北インド)卑弥呼しかゐない。


つまり三国時代には日本は既に亞細亞のスーパーパワー(公孫氏の支配地域の二倍の人口)で、朝鮮には支那に認められた王もゐなければ國としての體も成してゐなかつた。これが歴史の眞實である。


それが言ふに事かいて古朝鮮の神話(檀君、箕子朝鮮、衞氏朝鮮)とは笑はせる。韓國では現在でも五千何年だかの檀君暦を使用してゐるが、皇紀(神武紀元)は今年で二千六百七十一年である。


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