自称☆未来の小説家のブログ

自称☆未来の小説家のブログ

趣味で自作小説を書いていま~す。
よそで書いた短編をいくつか載せてます。
よかったら読んでやってください。

Amebaでブログを始めよう!



 

ぼくは妖怪、小雨おとこ。


 お父さんは雨おとこで、おじいちゃんは大雨おとこ。


 お父さんもおじいちゃんも、たくさん雨を降らせて人を困らせるのが、大好きなんだ。



 でもぼくは、人を困らせるのが、実はあんまり好きじゃない。




 こないだ小夜ちゃんていう、小さな女の子と友達になったんだ。


 小夜ちゃんは幼稚園の七夕祭りをとっても楽しみにしてた。

 

 でもぼくが遊びに行っちゃったせいで、外はしとしと小雨が降ってた。


 「織姫様と彦星様、会えないね」


 と、小夜ちゃんは悲しそうにしてたっけ。


 ぼくは急いで短冊に『晴れますように!』って願い事を書いて帰ってきたけど、


 あの後、ちゃんと晴れてくれたかなぁ?




おじいちゃんにそう言ったら、


 「そんなことでどうする!わしら妖怪は、人を困らせるのが仕事じゃぞ」って叱られた。



 お父さんに相談したら、


 「あのな、コサメ。お父さんだって、いつもいつも人を困らせてばかりいるわけじゃないぞ?かんかん照りの後に雨を降らせてやったりしたら、そりゃあもう喜ばれるんだから」だって。



 お父さんの話はいつもちょっとだけ難しい。


 ぼくが喜ばれるようなときもあるってこと?




 でもお父さん、こないだ小夜ちゃんが遠足に行った日も、やっぱり小雨が降ってたよ?


 ぽつぽつとちょっとだけ降ってたから、みんないろんな色の合羽を着て、長靴はいて歩いてた。


 ぼく、心配だったから、ずっとついて行ったんだ。


 「晴れたらサイコーだったね」ってみんな言ってたよ?




 あと、この前の運動会のときなんて、ぼくのせいで小夜ちゃんを泣かせちゃったんだ。


 小夜ちゃんリレーの選手に選ばれたから、すっごく練習してたんだ。でも本番で滑って転んで、ビリになっちゃった。


 ぼくやっぱり心配で、じっと見てたんだ。


 小夜ちゃん泣きながら「ごめんなさい」ってみんなに謝ってた。


 

 みんな『ドンマイ』って小夜ちゃんをなぐさめてた。


 ねぇお父さん、ドンマイってどういう意味?



 今日は小夜ちゃんの卒園式。


 小夜ちゃんの晴れ姿を一目だけでも見たかったけど、せっかくの晴れ舞台を雨降りにしたくなかったから、ぼく我慢してたんだ。


 家でゴロゴロしながら、お父さんにそう言ったんだ。そしたらお父さん、なんて言ったと思う?



 「じゃあお父さん、小夜ちゃんの卒園式見に行っちゃおうかな。そうだ、おじいちゃんも誘って行こう」


 「ダメだよ!そんなことしたら、雨ザーザー降りになっちゃうよ!お願い!やめて!」


 「じゃあコサメが頑張って、お父さんたちの雨を、小雨に変えたら良いじゃないか」


 「そんなのできっこないよ!だってお父さんたちのが大きいもん!」


 「コサメ、いつも言ってるだろ?雨を降らせるのは、体の大きさじゃなくて、心の大きさだって」




 幼稚園の空が、急に暗くなってきた。


 お父さんとおじいちゃんがやってきたんだ。


 上のほうから、大きな雨粒がじゃんじゃん落ちてくるのがわかる。


 ぼくは目をつぶって、一生懸命祈った!


 「小雨降れ!小雨降れ!雨、ちょっとだけ降れ~!」






 雨はしっとりと霧のように小夜ちゃんの髪を濡らした。


 小夜ちゃんはぼくを見つけると、嬉しそうに駆け寄ってきた。


 「卒園、おめでとう」


 「ありがとう!」


 小夜ちゃんの笑顔は、とても晴れ晴れとしていた。




 お父さんとおじいちゃんの背中を押して帰りながら、ぼくは幼稚園を振り返った。


 もう雨は上がって、お日様がのぞいていた。


 お母さんに手を引かれた小夜ちゃんが、綺麗な虹を指差して笑っているのが見えた。


 一緒に虹を見れなかったのはちょっとだけ残念だったけど、小夜ちゃんの笑顔が見れたので、ぼくは満足だった。




 「ドンマイ、コサメ」お父さんが、そうつぶやくのが聞こえた。







おしまい。





いかがでしたでしょうか?





今回は児童文学風です。


というか、以前何かの児童文学賞に応募したけど、


箸にも棒にも引っかからずに落選したものです(ToT)/~~~



何が原因だったか、考察していただけると助かります(*^_^*)























まとめ買い