☆
「グラッ!ガチャン!」
春まだ浅い九州のある日
お気に入りの洋楽を聴いていたbearのmasemiちゃん
突然の大きな揺れに飛び上がりました
「怖いよ~」
大好きなCDや雑誌が散乱するお部屋で
どうしていいのか泣きじゃくっていました


     ☆
「あっ!」
その時
雪が溶け春の足音を待ちわびる北海道のすずらんKTのひろぽんちゃん
テレビのニュースで地震を知りました
「bearのmasemiちゃんのとこだ」
日本の北と南
遠く離れていても大事な大事なお友達です
どうしていいのか心配で心配で泣き出しました


     ☆
「そうだ!bearのmasemiちゃんに逢いに行こう!」
すずらんKTのひろぽんちゃんは
大切にしているすずらんを両手いっぱいに持って
bearのmasemiちゃんの済む街を目指して出発しました


     ☆
「いつまで揺れるの?」
お部屋の片づけをしながらbearのmasemiちゃんは寂しくなりました
心配をかけないように
大切なお友達のすずらんKTのひろぽんちゃんにお手紙を書こうと思いました
「そうだ!すずらんKTのひろぽんちゃんに逢いに行こう!」
bearのmasemiちゃんは大好きな白い大きな鞄にお土産を詰めて
KTのひろぽんちゃんの済む街を目指して出発しました


     ☆
すずらんKTのひろぽんちゃんは南へ南へと歩きました
bearのmasemiちゃんは北へ北へと歩きました


     ☆
その二人を雲の上からじーと眺めていた神様
お互いを大切に想う優しい気持ちが嬉しくて
そっと魔法の杖を高く上げて
「エィ!」
すずらんKTのひろぽんちゃんと
bearのmasemiちゃんに
魔法の桜の花びらをふりかけました



     ☆
南へ南へと歩くすずらんKTのひろぽんちゃん
北へ北へと歩くbearのmasemiちゃん
『あっ!綺麗な桜の花びら』
それぞれにふり注ぐ花びらに抱きかかえられるように
ふわりふわりと空へと舞い上がりました


     ☆
すずらんKTのひろぽんちゃんは
ふわりふわりと遠くまで見渡せる展望台に着きました
「あっ~bearのmasemiちゃんだ」
ふわりふわりとbearのmasemiちゃんが舞い降りてきました
「あっ~すずらんKTのひろぽんちゃんだ」
笑顔が溢れ嬉しく飛び上がる二人
『桜の花びらさん!ありがとう』
二人の出逢いをお祝いするように舞い踊りながら
大空に向かって上がっていく桜の花びらに
いつまでもいつまでも二人は
繋いだ手と手を振っていました



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ひろぽんさん
masemiさん
ありがとうございました
             岡本 理香