こんばんは。
今日は、最近読んでいる貝谷久宣先生のロングセラーの本、『脳内不安物質』の内容を中心に書いていきます。
この本では、パニック障害、強迫性障害、全般性不安障害、社会不安障害が発症しているときに、脳の神経細胞でどんなことが起こっているかのメカニズムが詳しく説明されています。
※不安そのものについての詳しい説明や、診断、治療についてなども載っています。
専門用語がたくさん出てくる深い内容にも関わらず、比較的理解しやすく書かれているので助かります。
セロトニンの話などは、他の本でも多く採り上げられていますので、今では馴染み深い内容(この本は、1997年初版です)ではありますが、この本ではそれ以外にも、ノルアドレナリン、GABA、炭酸ガス、乳酸、カフェイン、コレチストキニン、女性ホルモンなど多くの脳内物質の作用するメカニズムが載っています。
とても勉強になる一冊です。
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上記、脳内で作用する物質の中で、比較的自分でコントロールしやすいもの(強い依存がなければ)に、カフェインがあります。
それについての事例を一つ、本より引用します。
『若い女性がパニック発作を訴え、病院を訪れました。
彼女が飲むコーヒーは、ふだんは一日に一杯程度ですが、深夜におよぶ仕事でコーヒーを八杯も飲んだ夜、パニック発作で目がさめました。
それからも一ヵ月ほど仕事が続き、同じ量のコーヒーを飲み続けていると、発作が夜だけでなく昼間にも起こるようになったのです。
診察した医師からカフェイン中毒の可能性を指摘され、コーヒーを飲むのを止めたところ、パニック発作は起こらなくなりました。』
(『脳内不安物質』貝谷久宣先生著(講談社ブルーバックス/P75-76/1997)より引用)
※カフェイン中毒については → こちら 参照(Wikipedia)
本には、エール大学とアメリカ国立精神保健研究所の研究(カフェイン投与)のデータが載っています。
それによると、パニック障害や強迫性障害、社会不安障害の患者はカフェインに対しての感受性が敏感になっている人の割合が高く、カフェインを含むコーヒーなどがパニック障害や強い不安の引き金になることが容易に想像できるとされています。
私自身も昔はコーヒーを1日に7杯(缶含めて)ほど飲んでいた時期がありました。
しかも気持ちを落ち着けるつもりで飲んでいたことが多かったです。
全くもって無知でしたが、幸いなことに、その後別の理由でコーヒーを飲むのを止めました。(知人と喫茶店に行ったときに、たまに一杯飲む程度としました)
当時はカフェインがどうとかは自分の実感としては分からなかったのですが、ただ単純にお腹が気持ち悪くなるからという理由で飲むのを止めました。
ひょっとすると、そのこともまた社会不安障害克服のための一つの力になってくれたのかもしれません。
ただ、カフェインに対する感受性には個人差がありますので、断言はできませんが。(私自身の自覚がないので尚更です)
とはいえ、しっかりデータとしては出ていますので、
現在、パニック障害や強迫性障害、社会不安障害でお悩みの方は、コーヒーなどのカフェインの摂取を止めるか減らしたほうがいいですよ。
できれば良質の水に切り換えましょう。
今日も、ありがとうございます!
皆さまが、笑顔いっぱいでありますように!
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