「愛情」という名の「体罰」 (『お母さんはしつけをしないで』で学ぶ①) | あがり症・パニック症・対人恐怖は「あるがまま」で克服できる!

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こんばんは~。


今日は、長谷川博一先生の本、『お母さんはしつけをしないで』を読んでいます。


この本には、


行き過ぎたしつけがいかに子どもの人生に影響するか、どんな症状につながるか


行き過ぎたしつけをしてしまうお母さんは、なぜそうしてしまうのか


そのお母さんは、これからどうしていけばいいのか


などが、書かれています。


☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆


読み進めると、自分にすごく心当たりのある文章が出てきました。


いくつかの事例より割り出した、凶悪事件を起こした少年・少女の共通点を書いた文章です。



『優秀な学業成績をあげたという共通項から、私は、勉強を「やらされてきた」子ども時代を過ごすという経験の問題性を指摘したいのです。

幼少期から勉強に向かわせようとする強い介入は、非力な子どもでははね返すことができません。

やがて子どもの心にゆがみがつくられていく・・・・・・。

私はそう考えているのです。』

(『お母さんはしつけをしないで』長谷川博一先生 著より引用)



勉強を「やらされてきた」子ども時代を過ごすという経験


私は、事件を起こしたわけではありませんが、これとその他もろもろの経験(注)に長年に渡り苦しめられて(社会不安障害の種となった)きました。


(注)子どもの頃から毎晩無理やり勉強させられていたこと、親の価値観を押し付けられていたこと、自分の意見を否定されてばかりいたこと、睨まれたり叩かれたりなど。


※今では関係良好ですし、感謝していますニコニコ


本当に長い時間をかけて自分と向き合い、必死で立ち直ってきました。


両親にしてみれば遠い昔の出来事に過ぎなくて、普段思い出すこともないかもしれませんが、私は今でも当時の自分と向き合って、癒し続けています。


そのくらい行き過ぎたしつけは子どもの人生に影響を与えるということです。


☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆


ここで本より、強盗傷害事件を何度も起こした拓也くん(仮名)の事例を引用します。


母親が小さい頃の拓也君をしつけていた場面から入ります。



『幼稚園で何か問題を起こすと、「これではいけない」とばかりに掃除機の柄で叩いたり、柱にしばりつけたりもしました。

母親が家をあけるときは、外出しては危険と考え、外鍵をかけて長時間、部屋に監禁したこともありました。


拓也くんが逮捕されたあと、母親に当時のしつけ(体罰)のことをたずねてみました。

するとこんな返事が返ってきたのです。

「あれは愛情です。いい子になってほしいから叩いたんです!」


母親はいまでも、自分のした子育てを「しつけ(愛情)」だと信じて疑っていません。

しかし拓也くんが母親から学んだのは、暴力を用いて、相手を思い通りに従わせるという人間関係だったのです。

母親の強い愛情はゆがんだかたちで伝わってしまったのです。』

(『お母さんはしつけをしないで』長谷川博一先生 著より引用)



この母親が、体罰のことを愛情だと信じて疑わなかったのは、きっと母親自身も子供の頃に同じような育てられ方をして、ゆがんだ準拠枠(価値観、感情、知識、思考、関心など)が刷り込まれてしまったからだと思います。


やはり、母親自身がどう思っているかだけでなく、子どもにどう伝わるかに注意しながら子どもと関わる必要がありそうですね。


このケースでは、母親が愛情だと思ってやったことにより、子どもに犯罪(暴力)の種を植えてしまいました。


☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆


私の両親も同じだと思いますが、親としては”子どものために”と思ってやったことなんですよね。


本当に、子育ての難しさが思い知らされます。


カウンセリングと同様に、先ず自分自身の心の問題を解消しておかなければ、変な方向に進んでしまいかねない、そんな風に感じました。


本には、詳しく”どうすればいいか”の部分も書いてありますので、興味のある方はぜひ読んでください。


ちなみに、”どうすればいいか”を一言で表すと、本のタイトルになります。


もし、今日の記事にドキッとされた方がおられたとしても、ご自分を責めないでくださいね。


一生懸命やってこられたことには変わりありませんので。


それに、今日の記事では採り上げませんでしたが、旦那さんの理解や協力の有無、仕事との両立など他の条件も関係してくると思います。



今日も、ありがとうございます!


皆さまに、いいことたくさんありますように!



↓子育て中の方にぜひ読んでいただきたい一冊です。

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