こんばんは~。
今日は、心的外傷(トラウマ)について勉強しています。
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心的外傷(トラウマ)とは、対処することができないほど大きな衝撃を受けたときにできる心の傷のことです。
心的外傷(トラウマ)を受けると、下記のようなストレス反応が起こることが多いとのことです。
※ストレス反応は、自分を守るために働く防御機能です。
★心的外傷の再体験・・・フラッシュバックなど衝撃的な出来事の記憶が突如としてよみがえってくること
★回避・麻痺・・・衝撃的な出来事を思い出させるものを避けたり、苦しみをやわらげるためにボーッとしたりすること
★過覚醒・・・目が覚めすぎている状態、つまり、常に警戒してピリピリしている状態
★身体反応・・・疲労感、頭痛、胃腸の不良、食欲不振、めまいなど
★抑うつ・・・気分の落ち込み、興味の喪失、イライラ、食欲不振、自己無価値感など
★持病の悪化・・・心の病気やストレスの影響を受けやすい身体の病気など
そして、上記のストレス反応が日常生活に支障を来たすほどの症状になると、病気と診断されます。
病気には、下記の二種類があります。
★心的外傷後ストレス障害(PTSD)・・・症状が一ヶ月以上続いて初めて診断されるもの
★急性ストレス障害(ASD)・・・症状の持続が一ヶ月未満のうちは、この診断となる
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ここからは、実践的な内容に移ります。
現在、被災者支援の活動が盛んに行われていますが、支援者に心がけていただきたいことがあります。
それは、被災者に「二次被害」を起こさないようにすることです。
ここで、「二次被害」の説明を引用します。
『心的外傷を受けるような衝撃的な体験をした後の過程でさらに心に傷を受ける、ということを「二次被害」と呼びます。
二次被害は、必ずしも悪意によってもたらされるわけではなく、Aさんのケース(下で紹介します)のような善意の他者によってもたらされることも多いものです。』
(『正しく知る 心的外傷・PTSD』水島広子先生 著より引用)
善意の他者によってもたらされる・・・。
どういうことでしょうか?
本より事例をひとつ紹介します。
『震災に遭って、家の一部が壊れた女性Aさんは、その話を知人にしたところ、「でももっと辛い思いをした人もいるんだから」と言われました。
確かに家は全壊したわけでもなく、自分も家族も命を失ったわけでもなく、言われたことは「正しい」ことでした。
Aさんは、「大した被害でもないのに騒ぎ立てた自分は、何て不適切だったのだろう」と反省し、それから自分の事情を人に話すことをやめました。』
(『正しく知る 心的外傷・PTSD』水島広子先生 著より引用)
被災者は、支援者からの発言に対して言い返しにくい状況にあると言えます。
だからこそ、支援者は自分の発言には慎重にならなくてはいけないと思います。
具体的には、カウンセリング的な傾聴を取り入れつつ(本ブログ記事は、2012/02/19に変更しています。)
相手の話をできるだけ聴き、評価を下さず、ありのままを尊重する。
そして、物理的にできることを提供しながら、温かい姿勢で共にいる。
この姿勢で支援したいところです。
それでも、支援する当日にぶっつけ本番でいくと、ついうっかりなんてこともあるかと思います。
(決して悪意を持っての発言ではないので)
なので、「自分が普段、相手を評価したり決め付けたりしていないか」を
自己観察して、自分の傾向を把握しておいたり
あらかじめ、「言わないように心がける言葉」を決めておいたりすることがとても有効だと思います。
今日も、ありがとうございます!
↓心的外傷から回復するためにできることや、支援者の心がけなど、被災者・支援者共に読んでいただきたい本です。
直接被災していない方の心の傷についてもふれられています。
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