こんばんは~。
今日は、私たち初心者が陥りやすい「共感もどき」について考えてみます。
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「共感もどき」って何のことだと思いますか?
はい。私が勝手に名付けました
「同感」「同情」のことです。
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カール・ロジャーズ先生が創始した「来談者中心療法」の治療の3条件として
★ 無条件の肯定的配慮
★ 共感的理解
★ 自己一致
※それぞれの説明については、今後載せていきます。
が挙げられますが、その中の「共感的理解」は、誤解して捉えやすいので注意が必要です。
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「共感」と「共感もどき」について良い説明が載っていましたので、ここで紹介します。
『共感するとは、相手と全く同じになってしまうことでもなければ、自分の感じや考えを相手に混入させることでもなく、違った立場の人間が相手の立場に立って感じ、考えてみようとすることである。
それは非常に難しいことである。
カウンセラーになりたいという人の中には、自分は相手のことがよくわかるとか、相手の身になって共感することができると自負している人がいるが、実は共感ではなく、同感・同情に基づく場合であることがほとんどである。
また、他者の問題を客観的に見て、善し悪しを判断してあげることができるので、カウンセラーに適していると思う人もいるが、その人は同情や同感はしないであろうが、共感もできず、自分の考えや感じをいつも混ぜ合わせて相手のことを受け取っている可能性も高い。』
(『カウンセリングとは何か』平木典子先生 著より引用)
「共感」することによって、クライエントの洞察を深め、治療過程を促進させることが期待できます。
ところがここで
「同感」「同情」してしまうと、傷をなめ合う関係になってしまったり、クライエントから過度の依存性を引き出してしまったり
あるいは「このカウンセラーは素晴らしい。何でも分かってくれる。何でも治してくれる。」といった万能的期待(幻想)を、クライエントに抱かせてしまったりすることにつながりやすいと思います。
そして、その結果、かえってクライエントを傷付けてしまうことになるのではないかと思います。
※どんどん大きくなっていくと思われる依存や期待に応え続けることは、無理だからです。
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私にも、1回目の個人事業の失敗(プロフィール参照)の後、社会不安障害(対人恐怖・視線恐怖)を発症し、それを乗り越えてきた経緯があります。
※体験談をそのうち載せる予定ですが、気長にお待ちくださいね。
※私の場合は、借金返済と時期が重なっていたこと(苦しみながらも働き続ける極限に近い状態でした)と、カウンセリングについてよく知らなかったことにより、周りの人達に助けてもらいながらも、何とか自力で立ち直りました。
※今から思えば、自己(強制?)森田療法と自己認知行動療法と自己短期療法をやっていました。
※完全に気にならなくなるまでに、ほぼ10年かかりました。もしカウンセリングを受けていたら、もっと早く治療できたのではないかと思います
そんな私ですが
もし、社会不安障害で悩むクライエントが訪ねて来た場合でも、「同感」や「同情」ではなくて「共感」できるようにしておきたいと思います。
そのために、今でも自分の心の内面を徹底的に見つめ続けているところです。
また、時期を見てカウンセリングも受けたいと思っています。
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最後に、平木先生の言葉を載せます。
『カウンセラーの際立つ専門性は共感性にあるのだが、これは言葉で説明することが難しいカウンセラーとクライエントの間の心のプロセスの一つである。
カウンセリングとは、初めから終わりまで共感性に貫かれて行われる作業であり、これこそ、カウンセリングの真髄であることを強調しておく。』
(『カウンセリングとは何か』平木典子先生 著より引用)
今日も、ありがとうございます!
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