われわれ理学療法士は何らかの病気により身体に障害を背負った方々が,職業復帰・社会参加するための支援をすることを使命とされている.よって,最大限の身体機能回復を促すことはもちろんのこと,運動,動作,行動や行為に至るまで,幅広い知識を有していなくてはならない.日本理学療法士協会もEBPTを実践する理学療法士を求めており,科学的根拠に基づいた評価・リハビリプログラムを立案することが今のわれわれのすべきことだと考える.しかしながら,運動や動作の獲得を最優先とし,行動や行為という日常生活に直結する範囲に目を向けることができていないことが多く見受けられる.
うまく話せない,歩くことができない,電車の乗り方がわからない,服が着れない,入院中はできていたことが,社会に出た際にできなくなる.このようなことが起きてはならないのはセラピストであれば誰もが分かっていることである.しかし,実際にそれが生じている.コミュニケーションを取るというのは話すことだけだろうか?移動とは歩くことだけだろうか?手段はいろいろあるはず.そして何よりも,脳を理解し,解剖,運動学,動作分析を駆使して評価を行い,本当の問題点を見出さなくてはならない.定期的な効果判定を行い介入が間違えていないか疑わなくてはならない.必要であれば再度プログラムを検討しなくてはならない.セラピストの自己満足ではなく,対象となる方々の社会参加のために.笑顔の ために.
職業倫理を考えることと,人権倫理を考えること,理学療法士である限り絶対に絶やさない.忘れた時は理学療法士免許は剥奪されてもいい.