ゴリ男はパチンコが好きでした。
私と交際している期間に
会社の先輩に誘われて行くようになり
私とのデートでもパチンコに行くことがありました。
私はパチンコをしたことがなく
私の家族や友人にもパチンコをする人が居なかったので
パチンコのことをよく知りませんでした。
でもデートにパチンコかぁ…とは思いました。
ゴリ男に他の所へ行こうと言っても
「なんで?パチンコはゲームみたいなもんだし上手くいけばお金がもらえる。ゲームで遊んでお金もらえたらラッキーじゃん!りらもゲーム好きだし面白いと思うよ」
そう言われて初めてパチンコしました…
たしかにゲームみたいな感じはしましたけど音が大きく騒がしくてタバコの匂いが充満していて、ずっと居るにはキツい環境でした。
そうゴリ男に伝えてパチンコ店を出ようと言っても
「りらにも当たった時の楽しさを分かってほしい!」
と、数時間パチンコ店で過ごしました…
当たらず特に楽しかったというわけでもないままパチンコ店を出ました。
もったいない時間の過ごし方をしたようで不満を感じてしまいました…
そんな様子の私を見たゴリ男は
「お金は自分が出したんだから、りらは何も損してないじゃん」
だから不満そうな私の様子が分からないということでした…
普段のデートでも『感覚の違い』はありましたが
旅行した時は特に違いを感じました。
交際時の旅行で
私は歴史が好きなので建造物や、ゆかりの地を見ると、とても楽しかったのですが
ゴリ男は歴史に興味がないので
じっくり見ている私を急がせました。
私が、これはこういうことがあって出来た物で、歴史の教科書にも出てきたでしょ?昔の人が作った物が今もこうして残っているなんて凄いよね。細工が見事だね!
直に見ることが出来た感動を
ゴリ男と共有したくて説明しました。
でもゴリ男は、ふ~ん。で?そんな古いよく分からん物を見たって別に何とも思わない。
お腹減ったからご飯食べるとこ探そう。
そんな感じだったので次の旅行からはゴリ男が興味があるところへ行くようになりました。
あるテーマパークへ行った時のこと。
ゴリ男は高いところが苦手です。
私は怖い物が苦手です。
私がジェットコースターに乗りたいと言ってもゴリ男は頑なに拒否して乗りませんでした…
でもゴリ男はお化け屋敷に入りたいと言い、私は怖いから嫌だと言ったのに
無理矢理、大丈夫だから!と入ることになりました。
恐怖でパニック状態の私をゴリ男は面白がり、早く出たいのに道が分からなくて困っている私をカメラで係りのスタッフさんが見ていたようでスピーカーで次の通路は右ですと教えてくれました…
やっとのことでお化け屋敷から出られた私を見てゴリ男は大爆笑していました…
私はジェットコースターを楽しみにしていたのに結局乗れないまま
テーマパークを後にしました…
当時、私が通っていた美容室の美容師さんから
「相手がどんな人か、デートよりも旅行した方が分かる。旅行はその人の人間性が出るから結婚する前に何回か旅行するのをオススメします」
そう聞いていたのに…
私は交際時の旅行でのゴリ男との『感覚』や『価値観』の違いを感じていたのに、気づいていたのに
もう5年も付き合っているんだしお互い年齢的にも、そろそろ結婚するタイミングかなぁ…
『感覚』や『価値観』の違いを感じていても5年も過ごしたゴリ男のことは
『身内感覚』のような存在になっていました…
そしてゴリ男からは
「恋愛でのドキドキは3年もすればなくなるって言うけど自分は5年経った今でも、りらちゃんにドキドキしてるよ」
そう言われて
やっぱり、この人と結婚だな…
新婚旅行は海外にしました。
ゴリ男は海外旅行が初めてでしたので
楽しんでもらいたくて私はガイドブックやネットで調べて準備していました。
添乗員さんが居るツアーなのでガイドしてもらえるのですが、何も知らずに行くより良いと思ってのことでした。
世界遺産は、さすがにゴリ男も喜んでいました。
でも観光地を回るうちに
ゴリ男はだんだん飽きてきたようで…
めったに来られない外国の地(ヨーロッパ)で直に見ることが出来る感動を体験している私の横でゴリ男は
「さっきも似たようなの見た」と死んだ魚のような目で言ってきました
ゴリ男が新婚旅行の行き先を決めた理由は『サッカーが観たい』でした。
サッカー観戦日は旅行最終日でした。
その間は宮殿や寺院や美術館を観て回るスケジュールでしたので
最終日までゴリ男は、つまらなさそうな様子でした…
サッカー観戦日のゴリ男は
それまで見たことないくらいのテンションの高さで私は驚きつつも
ゴリ男がそんなに喜んでいるのがうれしくて一緒にユニフォームを買い、着て観戦しました。
私はサッカーにさほど興味がありませんが、テレビで観た有名選手を直に見て、応援することは楽しくて感動的でした。
(そんな私のことをゴリ男は『ミーハー』だと小バカにしてきましたが)
ただ、不満というか…
ゴリ男は自分の興味のあるものだけを喜び、楽しんでいて
私の興味のあるものには関心を持とうともしないし
私が喜んでいる姿を見ても何も感じていないようでした。
むしろ「なんで、そんなもので喜べるのか分からない」と小バカにしている感じでした…
それは『新婚旅行』ということで余計に寂しさを感じてしまいました…
ゴリ男はナッツとデートして
不倫旅行して、私とよりもナッツとの方が『感覚』や『価値観』が似ていて楽しいと感じたのだと思いました。
ゴリ男の気持ちになって考えてみると
『顔だけが好きな私』よりも
『顔も好きで感覚や価値観が似ている不倫相手のナッツ』の方が
『おじいちゃん、おばあちゃんになってもずっと一緒に居たい』と思ったのだと…
ゴリ男の本心だと思いました。