躁と鬱と私と共に生きる僧侶るじん <心の学び研究協>

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双極性障害を持つ僧侶が経験を生かし、心に役立つ情報を発信!双極性障害、鬱病を持つ方やそのご家族様を応援します(^▽^)/

躁と鬱と私と共に生きる僧侶るじんですニコニコ

 

今日は双極性障害の症状の一つ、鬱について私が経験したことや、鬱の時の身体や心の状態をわかりやすくお伝えしようと思います。

 

躁鬱病の鬱状態というのは、うつ病と全く同じ症状なんですよね。

ですから、うつ病の方の気持ちもよくわかってしまうのです。

 

昔自分の病気をちゃんと把握していなかった頃は、鬱症状の時のしんどさの意味が分からずとても苦しみました。

朝会社に行きたくないのは私が社会人として劣等生だからであるからだと思ったり、ただの怠け心があるからだと思っていましたネガティブ

しかし本当にベッドから起き上がれなくても、とてもまじめだったので、会社を休む選択なんてありませんでした。

 

よくまじめな人ほど鬱病になると言われますけど、本当に私はガッチガチのまじめ人間でしたので会社を休むなんていうのは、とんでもないことなんですす。

 

まだ高熱でも出ていれば、会社の人に病気を移してはいけないという正当な理由ができるので休む連絡はできたのですが、鬱状態って、別に熱が出るわけでもないので、

こんな気持ちの問題で休むなんてあり得ないと思うのです。

 

そうなると、会社に行かずに済む方法として考えること言えば2つです。

 

①    死ぬ

②    会社を辞める

 

この2択になってきちゃうんですね無気力

でも会社を辞めるって選択もへなちょこなので、皆に迷惑がかかると思うとなかなか辞められない。

そうなると選択肢の残るは一つ。死ぬしかないと思ってしまうのです。

 

朝パートナーに

「死にたい」

とよく言ってしまいました。

するとパートナーは

「死ぬくらいなら会社辞めろ!」と怒鳴っていましたよね。

そりゃあね、自分の大事な人が

「死にたい」なんて何度も何度も言っていたら嫌になりますよ。

意味がわからないし、悲しいしね。

「なんでそんなことを思うんだ。オレは死にたいなんて思ったことなんかない」と言われました。

かわいそうなことをしていたと思います。

 

これが鬱のせいで身体が動かず、会社に行く力が出ないんだという事がわからなかったからかなりつらかったのですネガティブ

 

この頃「うつ病」という診断を受けていましたが、まったく正しい知識がなかったのがいけませんでした。

病人である自分でさえ、この鬱状態を「気持ちの問題」と捉えてしまっていたため、

朝ベッドから起き上がれない自分を情けない人間だと思い込んで自分を叩いていました。

 

では鬱状態というのは具体的にどんな症状が出るのでしょうか?

人によってさまざまではありますが、私が実際経験している身体症状を3つお伝えしようと思います。

①    強い倦怠感

②    筋肉に力が入らない

③    静止してしまう

 

①    の強い倦怠感は具体的にどんな感じかと言うと、インフルエンザやコロナで39度の高熱を経験したことがある方ならわかって頂けるかもしれませんが、そんな高熱がある時のような身体のしんどさがあります。

実際私はこの状態になると何度も熱を計ってしまいます。

なぜなら、熱がなければおかしいと思うほどの倦怠感だからです。

ですから熱が無いとわかるとショックを受けるんですよ。

熱があるなら道理がわかるのに熱がないのにどうしてこんなにしんどいんだろうと。

 

②    の筋肉に力が入らないのは、全身の力が抜けてします状態です。筋肉を動かすための脳が働かないんだろうなと想像するのですが、

私がこの状態になると、全ての動作がかなりスローになります。

さらに、顔の表情を作るのも筋肉ですから、当然表情がなくなります。

あまりにも顔がだらーんとしているので、口角を上げたいなと思ってもその力が湧いてこないのです。

そうなると見ている方は、怒っているのかなと勘違いしてしまうかもしれません。

あまりにも無表情ですから。

階段を上るにも、廊下を歩くにも、お茶を飲むのも、ゆっくりしかできません。

まるで急に何十年も年を取ったような状態です無気力

 

 

③    そしてそんな倦怠感と筋肉に力が入らないということで、動きが完全に止まってしまうこともしばしばあります。

私はなんとかお風呂に入って髪の毛を乾かそうとした時に、

完全に身体が停止して、ドライヤーがあさっての方向を向いているのがわかっていても、

髪の毛とはまったく別方向にドライヤーを向けて時が経ってしまったこともあります。

 

身体はそんな状態になった挙句、思考にも苦しい症状が出ます。

私が実際経験している鬱状態の時の思考を3つお伝えします。

 

①    やる気をすべてつぶされる

②    異様な孤独

③    悪い妄想

 

 

①    のやる気をすべてつぶされるのはとても不思議な感覚です。指一本動かすにも、脳からの指令で動いているわけですよね。その「指を動かそう」とする考えが浮かんだとしても、「うつ」がすべて潰していくんです。「トイレ行こう」とか「洗濯干そう」とか何かをしようと思いついても、それを頭からグッと潰される感じ。

ですので、なにかしたいと思っても誰かに反対されているというような感覚です。

 

②    つ目として異様な孤独感があります。家族がいようが恋人がいようが友達がいようが、病気というものは人を孤独にします。

あまりにも辛い状態を誰にもわかってもらえない、結局病気と向き合うのは自分一人だという何とも言えない孤独を感じます。

私はこの孤独が解消される唯一の時間は、担当医と話している時です。

私のこの辛さをお医者様ならわかってくれるというような思い込みなのですが、でもとても大切な逃げ場所です。

ですのでお医者様選びは大事にしてほしいです。信頼できる方を見つけてくださいね。

 

③    つ目は、やたらと悪い妄想に囚われます。夫が今頃死んでいるのではないかとか、家族が交通事故に巻き込まれるのではないかとか、自分が今ガンで実は余命がもうないのではないかとかとにかく、悪い妄想が次から次へと浮かんできて、ものすごく不安になってしまうこともあります。

こういう時は妄想をやめて、すぐに違うことを考えられるといいのですが、鬱の時はそれがとても難しくなってきます。

 

こんな身体症状と悪い思考の症状が合わさって起こる鬱状態というのはどれほど地獄なのか、健康な方でも想像がつくのではないでしょうか?
 

しかしそんなにつらいのに、自分の病気のことをしっかりと把握していなかった時は、家族にも説明することができなかったため、大きな誤解も生んでいました凝視

 

30代で離婚して、実家に戻っていた時、鬱症状がとてもひどかったのに、病気のせいであることがわからずつらいつらい生活をしていました。

 

ある時は2階から1階の冷蔵庫まで行こうとしていたのに、途中で自分の電池が切れちゃったんですよね。

電池が切れるという状態は筋肉に力が全く入らず、行動しようとする思考ができなくなる状態なんです。

すると私は、もうその場で寝るしかないんですよ。動けないから。

だから台所の床に寝そべって身動きできずにいました。

 

実家には母と祖母が暮らしていましたが、倒れている私を見て、母は無言で私をまたいで自分の用事をしていました。

そのあと祖母が倒れている私を見て

「なにこんなところで寝ているの!

鬱病か!

演技しとるんじゃないのか!

まったくこんなとこで寝られたら邪魔でしょうがない。

さっさと起きろ」

と言われましたね。

 

いや辛かった真顔

 

私だって床に寝たくて寝ていたわけではないのに、

熱もない、めまいがしたわけでもないのに床に転がっている自分がおかしく思っていました。

だから祖母の言葉が突き刺さって、私自身も親に優しくしてもらうために倒れて演技をしているのではないかと思ってしまったぐらいなんです。

 

結局、自分が鬱症状をしっかり把握していないため、家族の理解などもまったく得ることができず

鬱症状が出ると、こうやって疎まれてばかりいました。

 

鬱病って本当にその人に経験がないと、

「怠けているだけじゃないの?」「気持ちが弱いんじゃないの?」「さぼりたいんでしょ」

「大袈裟だな」「つらそうな演技して、人の同情かおうとしてるでしょ?」

と思ってしまうものなのです。

なぜなら今の言葉は、私は全部自分にかけていましたし、家族からももらっていた言葉でした。

 

しかし鬱というのは筋肉に力が入らず、動けなくなったり、静止してしまったり、無表情になったり、悪い事ばかり考えてしまう病気なのです。

これをしっかりと自分で把握して、家族がいる方は家族にわかるように説明してあげることが大切です。

そうじゃないと、とても傷つく言葉を家族や周りから浴びせられてしまう可能性があるからです。

自らを自分で守らねばなりません。

 

鬱で大概つらいのに、外野からも辛い言葉をもらったらもうやってられませんからね。

しっかり鬱症状の勉強をして周りの理解を得て頂きたいと思います。

 

 

どうかあなたやあなたの大切な人がこの苦しみから少しでも解放されますように心から願っております。

一緒に生きていきましょう。

 南無阿弥陀仏  西條瑠真 合掌