ゼロ戦のお話だという事も知らずに読みはじめました。感想は純粋に感動し涙が溢れてきました。人が人として生まれてきた限り、生を一番に重んじるという当たり前な事を全うした、純粋な男の人のお話です。戦時中のゼロ戦乗りの思考回路は、ほとんど全ての人がお国の為に命を捧げることだけを考えていたのでしょうが、彼だけは妻との約束を守る為、生き残る為に、ゼロ戦に乗っていたのでした。周りからは 卑怯者 とさげすまされ馬鹿にされたりしても、一途に自分の心根を貫いて一直線に突き進んだ本当の名パイロットの寓話でした。

百田尚樹という作家の本は「聖夜の贈り物」に次いで二冊目でしたが、文章に無駄が無く本当の面白さを追求した凄い作家ではないかと思います。この後すぐに「 BOX 」も読んでみようと思います。