→つづきうさぎ




お話少し変わりますが、

数年前のまだ音大生のとき
子どもたちに音楽を届けたくて
仲間たちとボランティアで
幼稚園や保育園での
訪問コンサートなどを
させていただいていました。

ホールを借りて定期的に
やっていた無料コンサートでは
なかなかお客様が集まらなくて、
それでも毎回楽しみに
来てくださる方もいるし
少しずつ広がればいいなあ
という気持ちで続けていました。



コンサートのある日、
同じ会場の違うホールで
有名な団体さんがファミリー向けの
無料コンサートをされていて
ほとんどのお客さんが
そちらに移ってしまい
250席ある会場に10人くらいしか
お客様が集まらなかったことが
あるんです。


今となっては仲間たちと笑いながら
あの日の話をするのですが当時は

「自分がこの活動をしたいと思っても
   これが世間の評価なんだ。
   求められていないことを
   続けていくのはしんどいな」

と感じました。




迷作劇場でいろいろな土地の
広い会場いっぱいのお客様を
ステージ上からみていると、
いつもこの日のことを思い出します。





迷作がなかったら
いま東京にいないかもしれない
わたしにとって
迷作劇場に自分の居場所を
つくっていただいたこと、
ここに居させていただけることは
毎回、奇跡のように感じます。





だいすけお兄さんが
真ん中にいらっしゃって
それを見つめるお客様の
キラキラとした眼差しや
涙を流されるお姿があり、
しあわせいっぱいの時間を
たくさんの子どもたち、
そしてかつて子どもだった
みなさんと共有できる、
こんなにも素敵な空間は
自分にとって他にありません。


どこの土地に行っても
何度同じことをしても
決してこの感動に慣れたり
思い出が色褪せることはなくて
この瞬間のためなら
どんなことでも頑張れると
いつでも感じます。




→つづくコアラ