長引く腰痛の実例〜その原因と対処法〜
はじめて当院に来られた30代の女性Aさん。
一ヶ月ほど前から腰が痛くなり、とくに痛むのは長時間座ったあとに立ち上がるときです。
詳しくうかがうと、痛みが強くでるのは右側の腰。
動きの検査の中でも以下の特徴がありました。
(立位での動きの検査)
・上体を右に倒すと右の腰が痛む
・上体を右にひねると右の腰が痛む
・上体を前屈すると右の腰が痛む
このようにすべて右側に痛みが集中していました。
まず最初の印象として、Aさんに直感的に感じたのは右側のお尻の筋肉(股関節)の緊張でした
触診でもやっぱり右側のお尻はガチガチに硬くなっています
ちなみにお尻の筋肉(殿筋)と腰の筋肉は関係性(*1)が深いため、別々のようで実は動きもひとつなんですね。
(*1)腰の筋肉(腰方形筋)とお尻の筋肉(中殿筋)は発生学的には同じものです。
そこでAさんに座位になってもらい、右のお尻を優しいほぐしで緩めてみました。
これでどう変わるでしょうか?
当院の見立てが正しいなら、これで動きが大幅に変わるはずです
そこであらためて確認として、Aさんに立位で動いてもらいました。
するとAさんもビックリ
「まったく痛くない!」
とのこと。
ここまで激変するのは稀なことですが、体に正しいアプローチをすることで良い変化があらわれるというお手本のような実例です
結局Aさんの腰痛の原因は、右側のお尻の筋肉の過剰な緊張だったわけです
この緊張をとることで、腰の筋肉の緊張もそれにつられてやわらぎ動きも良くなる、ということなんですね。
帰り際、Aさんにはお尻のセルフストレッチを指導し終了。
Aさんはとても安堵した様子で帰っていかれました
体において腰や首はとてももろく弱いところです。
そこにあらわれる不調には必ずと言っていいほど、他の部分の影響がひそんでいます。
体はすべてつながっています。
そのつながりに目を向けることではじめて、日頃気をつけるべきことや、やるべきことが見えてくるはずです