発達的な問題を認めたがらない保護者への対応・・・その2

 第4段階:保護者に専門機関に話をしに行ってもらう段階

  第3段階で、学校と専門機関との連携ができてくれば、その内容を保護者に伝えながら、専門機関に相談に行くことへのハードルを下げていってください。そして、タイミングを見計らって、学校での取り組みをより良いものにしていくために、保護者に対して、生徒の生育歴や家庭での状況を専門機関に伝えてほしい、ということをお願いしてください。ここでのポイントは、あくまでも学校での取り組みをより良いものにしていくために、保護者に専門機関に行ってもらう、というスタンスを崩さないことです。ここまでの段階で学校と保護者との信頼関係ができていれば、学校のために専門機関に行くという名目であれば、保護者も専門機関に行くことを受け入れやすくなっているはずです。専門機関に行けば、臨床心理士等の専門家が、適切に対応...してくれるはずです。たとえ名目が学校のためであっても、この段階になれば、保護者もどこかで腹をくくっているものです。ですから、専門家から発達障がいであることを告げられても、受け入れることができるでしょう。
 保護者は、子どもに問題があるというだけで傷ついています。ですから、上記のようなステップを丁寧に踏みましょう。そうすれば、発達的な問題を認めたがらない保護者も、受け入れるようになるでしょう。ただし、時間がかかることも少なくありません。第一段階の子どもの問題を認めるだけでも、数年かかる場合もあります。ですから、この学年間に何とかしよう、と思うのではなく、保護者の状況を見ながら、一つ一つの段階を丁寧に進めていってあげてください。