特別支援教育制度と発達障がいへの支援

 これまでみてきたような発達障がいがある子供たちに対して、特別支援教育というのは、どのような対応をしてくれるのでしょうか。  まず、特別支援教育の概要を簡単に説明します。現在、義務教育課程の中で特別支援教育を受けているのは約27万人、割合としては2.5パーセントです。通常学級に在籍している生徒の6.3パーセントに発達障がいの可能性がある、という調査結果と比較すると、まだその大半の生徒たちは、特別支援教育を受けていないということが分かります。
 また特別支援教育は、一人一人の状況に合わせた個別の教育計画と個別指導計画に基づいて行われる教育のことであり、特別支援学校(以前の盲・聾・養護学校)、特別支援学級、通級学級、通常学級の中で行われます。発達障がいを有する生徒は、原則として通常学級で学びながら、通常学級内で特別支援教育を受けるようになっています。ただ...し、その生徒の発達的な状況や程度によっては、通級学校に通ったり、特別支援学級に在籍して学ぶこともあります。

 以下に、まず概念をまとめてみます。
 「個別指導計画」は、学校の教育課程において、児童生徒一人一人の障害の状態等に応じたきめ細かな指導が行えるよう、指導目標や指導内容・方法等を具体的に表した指導計画です。
 これに対して、「個別の支援計画」は、在学中のみならず、生涯にわたり教育、医療、保健、福祉、労働等の関係機関が連携して一貫した支援をするために作成する計画で、乳幼児期からの学校卒業後までを見通した視点をもって作成され、教育、医療、保健、福祉、労働等の関係機関が連携協力して支援するためのツールとなるものです。この「個別の支援計画」を、学校や教育委員会などの教育機関が中心になって作成する場合に、「個別の教育支援計画」と呼んでいるもので、概念としては同じです。

 次回は特別支援教育を受けるためには   についてアップします。