二十代になって初めて、定期検診のために歯医者へ行った。これまでは痛みが出た時だけ通っていたので、特に問題はないだろうと軽く考えていた。しかし診察を受けると、虫歯はないものの磨き残しが多いと言われ、少し恥ずかしくなった。歯科衛生士さんは責めることなく、生活リズムや食習慣を聞きながら、今の自分に合った歯磨き方法を丁寧に教えてくれた。スマホを見ながら磨く癖や、夜更かしが口内環境に影響することを知り、思い当たることばかりだった。クリーニング後は歯がつるつるになり、口の中が驚くほどさっぱりした。帰り道、少し意識を変えるだけで将来の歯の健康が守れるのだと思い、二十代のうちに気づけてよかったと感じた。
さらに、先生から「今の状態を維持できれば、将来大きな治療をせずに済みますよ」と言われ、素直に安心した。これからは忙しさを理由にせず、定期的に通おうと思えたのも大きな収穫だった。歯医者は面倒な場所というイメージが強かったが、自分の生活を見直すきっかけをくれる場所でもあると感じた。二十代の歯医者体験は、健康への意識が少し大人に近づいた瞬間だった。

歯科医師の生涯収入は、勤務形態や開業の有無、専門分野、地域差などによって大きく異なりますが、一般的な目安としてはおおよそ2億円から4億円程度とされています。ただし、これはあくまで平均的な見積もりであり、実際には個人差が非常に大きいのが現実です。

まず、勤務医として病院や歯科医院に勤める場合、年収はおおよそ500万円から1,000万円程度が一般的です。勤務先の規模や地域、経験年数によって差はありますが、安定した収入が見込める一方で、大きく収入を伸ばすには限界があります。仮に年収800万円で40年間働いた場合、生涯収入は約3億2,000万円となります。

一方、開業医の場合は、収入の幅がさらに広がります。成功している歯科医院では年収2,000万円を超えることもありますが、経営が厳しい場合はそれ以下になることもあります。開業には初期投資として数千万円の設備投資や物件取得費が必要であり、借入金の返済や人件費、材料費などの経費もかかります。そのため、収入が高く見えても、実際の手取りはそれほど多くないケースもあります。

また、自由診療を多く扱う歯科医師は、保険診療中心の歯科医師よりも高収入になる傾向があります。特にインプラントや矯正歯科などは単価が高く、患者数が安定していれば収益性も高くなります。ただし、これらの分野は専門的な技術や設備が必要で、競争も激しいため、継続的な研鑽と経営努力が求められます。

さらに、歯科医師は比較的長く働ける職業であり、60代、70代まで現役を続ける人も少なくありません。その分、働く年数が長くなれば、生涯収入も増える可能性があります。ただし、高齢になると体力や集中力の低下が避けられないため、収入の維持には限界があることも考慮する必要があります。

このように、歯科医師の生涯収入は一概には言えませんが、安定した職業である一方で、経営や専門性によって大きく差が出る職業でもあります。収入だけでなく、働き方やライフプランも含めて長期的に考えることが大切です。