六月の子馬

       新川和江全詩集より

子馬は足がつよくなって

どこまでも

どこまでも

走れるようになりました


ある日 遠くから吹いてきた

風が子馬にいいました


ーーー天にもみどりの牧場があって

    きんいろの

    子馬がいっぱいあそんでいるよ

    ほらね チカッと光ったろ?

    あれは子馬がはねたんだ


仔馬はそのばん夢のなかで

天まで走ってゆきました

きんいろの子馬はいなくて

そのかわり 牧場には

星をちりばめたように

クローバーの花が

どっさりどっさり 咲いていました


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