信仰心のある家庭で育ったからか、
幼い頃から、世のため人のために生きることが良い生き方なんだ、と思って長い間過ごしてきた。
それなのに、いま振り返ってみても、家庭に温かさなんてものは、ぜんぜん無くて。
ずっと、居心地が悪くて、安心感なんてものは、大人になって家を出るまで感じたことは無かった。
結婚して、嫁いだ先の家庭がとても温かくて、わたしは本当に救われたのだけど、ある時義理のお母さんが言った言葉が衝撃的過ぎて、今でも覚えてる。
確か、人のためにって、テレビで話している人がいて、それを聞いたお母さんは、
「人のためになんかやだよ。わたしは自分のために生きるよ。」
みたいなこと言ってて。
世のため人のために生きなさい、って育てられた私にとっては、頭を殴られたくらいの衝撃だった。
それでも、長年のクセというのは、なかなか外れにくいのか、
それから何年経っても、自己犠牲の上に成り立つ、世のため人のためを信じて生きてて。
だけど、最近になって、やっと、
「あれ?なんかおかしいかも??」
って、違和感を感じるようになった。
なんだ、別に誰かの役に立つ必要なんて無かったのか、と。
ただ自分を愛して生きているだけで、良かったんだ、と。
自分のことを一番に考えて、大切にして良かったんだ、そう分かって、腑に落ちた。
自分のために生きること、人の役に立たないことはダメなことなんだって、信じて生きてきたけど、違ったんだなぁって。
そうしたら、随分と気持ちが楽に、前向きになった。
頭では理解できても、腑に落ちるまでは、また時間がかかるのは、それが必然のタイミングなのか、経験するための出来事だったのか。
ま、どっちでもいいか。