応用行動分析


ABA(応用行動分析)とは、B.F.スキナーの行動主義に基づいた行動の科学で、その活用範囲は広く、障害児教育はもちろん、医療・リハビリテーション、スポーツ、企業経営などの分野でも、さまざまな実績をあげています。発達障害児、特に自閉症のお子さんの療育方法としてのABAは、まだまだ日本では浸透していませんが、アメリカをはじめとする諸外国では、最も有効な療育方法と見なされ、毎年数多くの症例報告がなされています。


ABAによる療育の特徴として、以下のことがあげられます。

  • 初めに、発達の状態が認知、言語、社会性、運動、生活の面から細かく評価され、その結果に基づいて、個別の療育プログラムが作成される。
  • 療育の頻度は、発達評価をもとに決められ、通常、週に数時間から数十時間と集中的に行われる。
  • 各々のプログラムの学習は、小さなステップに分けて行われる。
  • 正しい(望ましい)反応や答えは、好きなものをあたえたり、ほめたりして強化していく。
  • プログラムは習得されるまで、何度も繰り返し練習される。
  • 訓練や指導の方向性は、常にデータに基づいて決められる。

日本では、ABA療育のトレーニングを正式に受けた専門家が少ないことから、ABA療育に対して、“ちょっとインテンシブすぎるのでは?” “機械的で冷たい感じがする”といった誤解や偏見が多少あるかもしれません。ですが、個人や社会的な問題を解決する為の行動の原理を研究する学問であり、科学的に証明された行動の原理に基づいて、環境を系統的に操作しつつ、適切な行動を強化しながら習得、維持、般化させ、不適切な行動の減少や除去ができる大変有効な療育方法とみなされています。