あなたはボールを投げる時に完全に脱力できていますか?

"できてるよ! 当たり前! 投手の基本! 今更脱力?"

と思われた方はできていると思います。
私自信も学生の頃はできていたんじゃないかと。

しかし、これを子供に伝えてやらせてみてください、
"セットポジションで脱力してごらん!"

できません…

できていると思っている大人の方達もできていません、何故なら身体の全てを脱力したら立つことができないのです、だから身体、もしくは上半身の力を抜いて(いわゆる脱力)は指導する言葉として子供には合っていないのです、力むなは伝わりにくい。

子供は正直で無垢、セットポジションで上半身は脱力してみよう! と言ってもグローブと右手をへその位置に置くだけで子供からすると、既に腕に力が入っている為に頭の中は 

?#'¥°×?

自分が何してるかわからない状態になります。

息子に教えてはじめてわかった。

だから、上半身脱力とか、全部力を抜いて、などの言葉は子供には適切ではない。

試行錯誤した結果、セットポジションの状態で一度両肩を引き上げて大きく息を吐く、それがセットポジションの力が抜けた状態。

ここまでは何とかなるものの、テイクバック動作に入る時に力を抜く、これは子供には非常に難しい、ボールは限りなく弱い力で握ってもらいたいが、手が小さいので大人よりも力が入る、肘から上げる意識をしてと言うと肩のあたりの筋肉全て使って引き上げてしまう、大人よりもボールと腕全体が重く感じるから大人の感覚では無理。

子供に伝える時は自分の感覚だけを子供に伝えてはいけない、子供との違いを理解しないと
"違うよ、何でわからない!"
と、なる。

指導者の伝えたいことは間違っていないのだが、伝える方法や言葉が間違っているので子供はできない

何でできないかと思った時は、先ず自分の伝え方を疑った方がいい、いや改めた方がいい。

子供からしたら言われた通りにしてもできないから辛いだけ。

だから息子と2人でいろいろ言葉やこんな感じかな?と上手くやれそうな言葉と他の動作を上手く利用しながらやってみた。

結果、息子の場合は

肘から手の部分だけでボールの重みを感じてもらう、ボールを持ったままブラブラさせる。

その感覚のまま、ふりこの様にして肘を上げる、
肘が上がると止まるところがあるので感じてもらい、肩甲骨でもう少し上げる、身体を捻るとボールと肘は勝手に上に持ち上がる。

全て筋肉ではなく、ふりこの様に惰性でやってみたら上手くできるようになってきた。

しかし、全ての子供が同じ伝え方では伝わらない
子供1人1人、感覚も手の大きさも全て違うので、
やはり、その子供の真似をするのが一番早い、
その子になり切る。
そうすれば、その子ができない理由がわかってくる、時間は非常にかかるが丁寧に無理はさせず、
本人が悩まないように1つ1つ伝える、焦らない事、大人が焦ると子供に伝わるので要注意。

これができると私の様に細くても遠くへ強いボールが投げれるようになる。

来年からは塁間が長くなり、投手も2M長くなるが
ふりこの様に惰性を使って投げると疲れない。

パワータイプの投手と身体が細いタイプの身体の使い方は全然違う。
私がパワータイプで投げるとコントロールも定まらず、球の回転も少なくなる。

投手は皆んな個性があるのだから、その個性を無くしてしまう指導は、その子の将来をダメにしてしまう可能性がある、だから私は全体のフォームはバラさない、1つ1つ細かく細かく修正箇所を見つける事を心がけている。

平日に練習しても週に3〜4日が限界、土日はひたすら子供達を細かく見る事に徹底して、平日に少しづつ修正する。

私の考えには
子供の1番最初に上手く投げることができるようになった投げ方が基本になると思っている。
何故なら私は中学まで"投げ方"をほとんど教わっていない、TVで野球を観て自然に覚えた投げ方だったので、身体を壊さなかった要因の1つだと思っているからだ。

昔、ライバルチームの監督が
"肘を上げろ!肘を上げろ!"
と試合中でも大声をあげていたが、その投手は肘を上げると"投げにくそう、窮屈そう"と相手ながらに思った事がある、その子は6年生で針治療をしていた。

練習を一緒にしている子供の中に、水泳を小さい頃からやっていた子がいる、肩甲骨の可動域が凄い!しかし、他の子と同じ様にテイクバックすると、柔らかすぎて背中側に入ってしまう。

1人1人別々でやらないともう無理^_^

だから、焦らすゆっくりその子に合った投げ方を見つけるのが、今の私のやるべきことである。