ALL YOU NEED IS KILL (集英社スーパーダッシュ文庫)/桜坂 洋
¥600
Amazon.co.jp
内容(「BOOK」データベースより)
「出撃なんて、実力試験みたいなもんじゃない?」敵弾が体を貫いた瞬間、キリヤ・ケイジは出撃前日に戻っていた。トーキョーのはるか南方、コトイウシと呼ばれる島の激戦区。寄せ集め部隊は敗北必至の激戦を繰り返す。出撃。戦死。出撃。戦死―死すら日常になる毎日。ループが百五十八回を数えたとき、煙たなびく戦場でケイジはひとりの女性と再会する…。期待の新鋭が放つ、切なく不思議なSFアクション。はたして、絶望的な戦況を覆し、まだ見ぬ明日へ脱出することはできるのか。

***************************************************************************************


All You Need Is Kill は2004年に刊行された本です。私の手元には2006年4刷版があります。

ハリウッドで映画化だそうです。これを映画化するとグロイものができそうで恐いですね。戦闘場面が凄いものになりそうで・・・・。設定やラストを改変して欲しくないです。アメリカフロリダ半島での戦いとか、超ハッピーエンドとか・・^^;


”ギタイ”と呼ばれるバーボンの樽に手足が生えたような、死んでふやけたカエルのような生物に侵略されつつある地球が舞台。時代背景や政治形態等は不明です。


志願兵してキリヤ・ケイジはギタイから地球を守るための入隊し房総半島の軍に配属される。そのケイジは始めての戦いで戦死する。その死を見届けてくれた女性兵士がいた。。。

戦闘服は表紙のイラストにあるようなパワードスーツみたいなもので、集団戦から白兵戦まで対応できるというものですが、ギダイが異常に強い。

そして、死んだはずなのにベッドで前々日の朝を向かえている。

夢なのか?

戦場へ行く・・・・戦死。

そして・・・朝。

そして戦死。

エンドレスのループ。

ゲームでいうならバッドエンドの繰り返しです。

しかし彼は記憶も経験もバッドエンドの度に増えていくのです。159回も繰り返すと強靭な肉体、そして戦闘における経験は初年兵とは思えない状態です。彼はゲームプレイヤーではなく生身の人間。時間は繰り返される。

このループに中で厭世的になったり自暴自棄になったり、死んでいく仲間を助けようと考えてみたりするのです。

結局は159回以上の死を経験することになるのです。当然ながら描かれているのは159回以上のループの一部です。しかし、決して描写不足でもなければ過多でもない。うまく、行間を読ませることでテンポよく話が進みます。

そして、このループから抜け出す切っ掛けが、第一日目に出会った女性兵士ということなのです。

決してハッピーエンドではないのですがバッドエンドでもない終わり方・・・・。

やるせない感覚、せつない感覚が残るもののハッピーエンド好きの私が納得できる終り方でした。


 *******************************************************************************

おまけです。おなじ作者の作品です。手元にはもう無いのですが読了しています。

よくわかる現代魔法〈1〉 (集英社スーパーダッシュ文庫)/桜坂 洋
¥580
Amazon.co.jp