こんにちは。こうきです。

今から少し前に体験した腹責め談を書かせてもらいます。



今から2年前の夏、就活も終わった私は卒業旅行先を探していた。

あいにく、仲の良い友人は就活が長引き、卒論も踏まえて春頃しか空いてないということで、私一人でどこかに行くことにした。

アメリカ?フランス?など色々考えたが、予算が合わずアジア圏に絞ることにした。



いい場所がないか色々な人に聞き回っていると、腹責め好きのネッ友から「タイで1週間のムエタイ体験なら、希望すれば腹筋トレーニングとして殴ったり、殴られたりできる」と教えてくれた。


以前、腹パン衝動が抑えられず、ボクシングジムへの体験入会をしたことがあったが、スパーリングができるまで最低でも半年間経験を積まないといけない。それに、「腹を殴りたい、殴ってほしい」なんて言えるはずもなく、2回通っただけで辞めてしまった。


プロのバキバキの腹筋を殴り、逆に殴られるという貴重な体験ができると知り迷わず参加を決めた。




タイに着くき、真夏なのにエアコンの効いていない地獄のようなバスに揺られ2時間、そこからタクシーで30分かけ、塗装工場のような風貌のジムに到着した。

観光客がよく来るのか、幸い日本語はカタコトながら通じたため、必死で作ったカンニングペーパーを使うことなく、ムエタイ式トレーニングを開始することができた。


ランニング、サンドバッグ打ち、筋トレなどさまざまなトレーニングで、怠けてばかりでたるみ切った私の体をいじめまくった。

そんな基礎トレーニングが4日続き、5日目にして遂に「ฉันอยากฝึกกล้ามเนื้อหน้าท้อ(腹筋を鍛えたいです)」とGoogle翻訳で調べた言葉を紙に書いて伝えてみた。

すると、表情を変えずにトレーナーは「こっちへ来い」と私をリングの上まで呼んだ。

そして、両腕を頭の後ろで組めとのジェスチャーをし、私はそれに従った。

そしてすぐに、私よりも5歳ほど年下のジム生がやってきて、「打つぞ」とアイコンタクトを取ってきた。


「遂にこの時が!」

と喜んでいると、腹部に強烈な痛みが走った。

トスッッットスッッッ

かなり手加減をしてくれ、ボクシンググローブも16オンスほどのものであったが、ほとんど腹筋を鍛えていない私にとってはとんでもない衝撃で1発打たれるたびに強烈な吐き気が襲ってきた。

10発目、最後はこれまでの9発とは段違いに重いパンチを打たれ、私は赤くなった腹を押さえながらリングの上に疼くまった。

トレーニング時間はまだ3時間ほど残っていたが、動けなくなった私は這いながらホテルに帰った。




最終日、まだ腹に強烈な違和感が残る中、基礎トレーニングを終えると昨日、腹筋を鍛えてくれた例の少年の腹を今度は私が殴らせてもらえることになった。

私は張り切ってボクシンググローブをはめ、全力でパンチを放った。

しかし、引き締まった彼の腹筋は私のパンチ如きでは全く動じず、20発ほど打つと先に私の体力が限界を迎えた。

グローブをはめていたのに、手がジンジンする感覚。「ムエタイ選手ってすごい…」ご関心していると、彼はニヤッとして、「今度は俺が打とうか?」というジェスチャーをしてきたが、流石にあんなパンチをまた打たれたら死んでしまうと首を振って逃げた。




5日間、濃厚なムエタイ体験をし、ちょっと引き締った私の体は、その後の2日間に大量のタイ料理を食べたことによって即リバウンドしてしまった。

しかし、16歳とはいえプロのムエタイ選手として活躍する人間のパンチを浴び、バッキバキ腹筋を殴ることができ、とっても充実した卒業旅行となった。