もういっぽん!

 

 

【評価】82点
ストーリー:★★★★★
キャラ:★★★★
作画:★★★
おすすめ:★★★★

判定:良アニメ

 

【弱虫ペダルより面白いぞ

今時珍しいくらいどストレートな青春スポーツアニメ。

何気なく見たが不覚にも大好きな作品となる。

十数年間、美少女×部活モノは飽きるほど見てきた。萌えを追求した作品、エロを追求した作品、様々な美少女キャラで釣ろうとしてきた作品があったけれど、最終的に一番面白いのは普通の女の子が普通にスポーツを頑張る作品なのだ、という原点回帰の思考に辿り着けた。

 

作画に関して、止め絵や顔アップなど省エネカットが多かったのは事実だが、最初から大金を掛けて制作されるようなアニメではないことは明白であり、省エネを理由に評価点をマイナスすべきではないと思う。

むしろ魅せるべきシーンはしっかり描けていたことに着眼すべき。

打撃系格闘技と違って、重心移動が複雑な柔道の試合はアニメ作画で表現することは困難を極める。にも関わらず、本作は複雑な柔道シーンから出来る限り逃げずに正面から描いた。

全ての動作を再現するのはCGでモーションキャプチャーでも使わない限り絶対無理なので、作画に拘った中ではこれ以上ない出来栄えだったかもしれない。

アニメーターの方々は限られた予算で最大限の仕事をしてくれたと称賛したい。

 

キャラクターも良い。

主人公の園田未知はありがちな美少女ではなく、まんまるとしたルックス。

見た目通り元気な底抜けに明るいキャラクターで嫌いになる要素がない。

そしてエースの氷浦永遠はコミュ障だけど未知のことが大好きなのが全面に出てるのが可愛らしく、普段ぽわぽわしてるのに畳の上だとキリってなる目が良い。

ちなみにキービジュアルで姫野先輩が一番どアップで主人公扱いなのは比較的ストレートな美人だからかぁ?(笑)

一番印象深いエピソードは剣道部の南雲が柔道部入りした第6話だ。

大好きな友達と一緒に部活をするがために培ってきた剣道を捨てるとは凄い意志…

早苗ちゃんはいつも負けちゃうシーンが多くて残念でした。後半の方で「次は私が勝つ番!」とか言って締まる回があるんだけど、次回予告でガックリ肩を落とす早苗の後ろ姿が映るネタバレは笑ってしまった。

南雲と早苗、2人の今後の活躍は原作でチェックしないとね!?

 

未知の声を演じたのは、バンドリの伊藤彩沙さん。

これしかないってくらいベストマッチした声であった。

だから俺は彩沙さんは楽器弾いてる場合じゃないって言ってたんだよ!w

また、主人公チームより他校のライバルたちが脇役含め主演級の声優揃いの謎。

超重量級のキャラはファイルーズさん。オラオラオラ!

 

はい、というわけで締めとなるが、等身大の少女たちが生き生きと躍動する気持ちのいいストーリー、最高だった。

萌えやエロより、友情と努力ですよ、やっぱり重要なのは。

なんであんまり話題にならなかったのか不思議。

まるで取り上げないネットのインフルエンサー共にも腹が立って仕方がない。

まあ、全ては1クールに放送されるアニメの多さが元凶なんだけどね。

時代が時代じゃ覇権と言われた可能性もあったし、漫画原作アニメの中では個人的上位に挙げられる作品だった。

少年チャンピオンで連載中漫画で存在は知っていても手は付けていなかった作品、今回アニメ化して触れる機会が訪れたことは本当に良かった。

原作も買って読みたいと思えた久々の作品だ。