前回に引き続き、お寺さんの色紙です。「拈華微笑(ねんげみしょう)」と書かれています。

 退職をして最初に出かけたのは、わが家のお寺様の本山、永平寺にお参りすることでした。永平寺にお参りした日は近くの芦原温泉に泊まりました。
 次の日、能登に廻ってみようと車を走らせていると、「総持寺祖院」という案内を見つけました。総持寺は我が家のお寺さんのもう一つの本山だということで、寄ってみることにしました。

 とても大きな立派なお寺さんで、ちょうど屋根の葺き替えのための募金をしていました。少しばかりをと募金をしたら、お返しを頂きました。それは手ぬぐいでしょうか、布巾でしょうか、この言葉が書かれたものでした。ありがたくいただいてきました。
 このお引きものには、次のような解説書がありました。
『拈華微笑』
 日常生活の中で何気なくしている、美しい花、きれいなものに接して心の内に喜び、楽しみを覚える瞬間、平常の動きの中に現れている考えや思いを離れている人間の極意です。
 釈尊が一本の金波羅華を拈じて、言説を越えた仏法の真実を示したところ、摩か迦葉尊者のみがその意を悟ってにっこり微笑された因縁による言葉です。
                                          合 掌
                      総持寺祖院監院 長谷川文丈

『拈華微笑』は額装にして大事に飾っています。