父作成の色紙です。
裏書きに、「平成八年十一月十一日」とあります。

サザンカを広辞苑第五版で調べて見ました。
「さざんか 山茶花(字音サンサクワの転)ツバキ科の常緑小高木。葉は厚い。四国・九州の暖地に自生。高さ約3メートル。秋から冬にかけて白花を開く。八重咲・一重咲・濃紅など園芸品種が多く、庭園・生垣などに植栽。種子は大きく、油を採る。材は細工物にする。ひめつばき。茶梅。」

 山茶花の季節です。水彩でさらっと描いた山茶花です。父も山茶花が好きで、昔から山茶花を植えていました。それが二階の出窓を越えた大木となり、毎年たくさんの花をつけました。そこにキチョウやアカタテハ、ヒョウモンなどのタテハチョウの仲間やハチの仲間もやってきて、出窓からのからの眺めを楽しいものにしてくれていました。ある年、一階にも出窓を造ることになり、山茶花は無残にも切られてしまいました。

 秋になるとあちこちに山茶花が花開きます。白い花、赤い花、ピンクの花、絞りのように白にうす赤いいろが混じったものなど、うらやましく見ていました。その後、我が家にも2本の山茶花を植えました。

 父がこんな俳句のような言葉を入れた色紙を描きました。「さよならは さざんかだけの 早出立ち」
 この日、「早出立ち」したのは誰だったのでしょうか。あまり早くの出発なので、見送るのは「さざんかだけ」だったのですね。