今年で90歳になるおねえさんは
夫が他界して20年以上も一人で暮らしています
先日お声をかけたところ
最近ではあまり行かなくなったお墓まで行こうかと
とおっしゃるので一緒に行くことにしました
近いとはいえ坂の上にあるその場所までゆっくりのんびり話しながら
その中の話で早いうちに兄弟を全員亡くしたこと
母も早くに亡くなったこと
自分だけが長生きをしてしまったと話されていました
そしてお墓を紹介?していただいたとき
聞いたこともない話を教えてくれました
許可をいただいて撮影しています
赤く〇をしたところが欠けているのがわかりますでしょうか?
これ、ギャンブルをする人たちが戦死した人のお墓のここを削ると勝つ
という迷信で削られたそう
ねずみ小僧のお墓を削る、お地蔵様の鼻を削って飲むなどきいたことはありましたが
こちらのお墓はこのおねえさんのお兄さんのお墓です
フィリピンに向かっているとき船が沈没して亡くなられたそうです
享年21歳
家族がどんな思いでお墓をたてたか考えるとやりきれませんでしたね
こんな迷信を信じて愚かなことをしたのは5、60年は前のようですが
人心が荒れてすさんでいたからなのか・・・
こちらに眠っているお兄さんを知るのはもうこの90近いお姉さんだけとなりました
戦死したかたは先祖代々のお墓にはいれなかったそうで、最初は離れた場所に
お墓をたてていたけどさみしくないように父母が眠るお墓の後ろに移動されたそうです
周りの人が次々と亡くなり、近所の仲良しさんも亡くなり集落にほとんど人もいなくなってます
それでもおねえさんはここで暮らしたいと微笑みながら話してくださいました
ぜんまいを干していました
「適当なのよ」
と笑っていたのが印象的でした