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六本木アートナイト2011開催中止のお知らせ

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「六本木アートナイト2011」作品出展に向けて制作を進めてまいりましたが、この度の東北地方太平洋地震による被害、電力問題や余震などに鑑み、3月26日(土)~27日(日)の開催が中止となりましたのでご報告させていただきます。
http://www.roppongiartnight.com/

このような時だからこそ、我々もアートを通してメッセージを届けようと、制作チーム一同想いを込めて打ち込んで参りましたので、誠に残念ではございますが、運営上の危険を考慮すると致し方ない決定であると真に受け止めております。

折しも今回作品のテーマ「時間と存在」には「今を生きる」というメッセージを込めて制作して参りました。


マスメディアやインターネットが発達し、現実に起きた事象を超えて爆発的に情報が生まれ拡散し、私たちが暮らす社会は情報で溢れかえっています。その恩恵を受け私たちは、様々な情報を得ることで現実を超えた素晴らしい世界を体験することができ、一人分の人生以上の知識や経験を得ることができるようになりました。そして、自分の将来への選択肢を広げ、世界を切り拓いていく自由を手に入れることができるようになりました。
しかしながら同時に、その追体験や知識が未来への不安を必要以上に感じさせ、視線は遠い未来を予感しながら、今という平和で自由な日常に漠然とした不安を感じながら、前に進めないでいる人達が多いのではないかと感じています。

何気なく流れていく日常。しかし突然にその日常生活が崩壊する出来事が訪れます。この度の甚大な被害をもたらした大震災のように。その時我々は否応無く、流れていくと思っていた日常と自分の存在の危うさに気付かされ、今を生きることに精一杯に立ち向かう。過去から未来に順番に流れていくと思っていた時間が、突然バラバラに分解され、明日が来ることさえ不確かなものに思われてくる。
私自身が阪神大震災に直面して感じた、呆気なく一変する日常の風景、突然に奪われる自分達の存在。
同時に感じた、今という世界を共有する人達と手を繋ぐことによって得られる、この上ない安心感。

我々の真の存在は「時間」と「空間」と「人間」が交差する今という「一瞬の間」にある。
それは逆に、その一瞬を能動的に生きることで、自己の存在を獲得することができるということである。
不安を希望に変えていけるのは、今を生きている自分以外に成し得ない。今を進む一歩でしか、過去を受け止め、未来を創っていくことはできない。

だからまずは目の前の仕事に精一杯に取り組みながら、僕たちにできることから始めていこうと思います。
アートナイトの件ではご協力いただきました皆様との出会いに改めて深く感謝申し上げます。
今後とも是非一緒にお仕事を進めて参りたいと思いますので、引き続き宜しくお願い致します。

また今回私は、たまたま東京都心にいて直接の被害は免れましたが、被災された方々と免れた自分達は、当然ですが今という世界で繋がっている存在です。どこにいても自分達が起こす小さな行動が繋がり合って影響を及ぼし合っていると感じながら、一つ一つ取り組んでいければと改めて思います。

http://ameblo.jp/kojiyano/