自分では気づかないうちに、

とても分厚く、そして柔軟性の効かない鎧を

着てしまっていたようです。


これは外部から身を守る盾として有効に活用できる一方で、

自分の成長を妨げる足かせになってしまっている気がする。



こういう時は、体が自然と旅を求めていて、

こういう時に原点を思い出すことができます。

昨日から今日にかけて、そういう日でした。



「BRUTUS6月号」


中田はやっぱり僕にとってのヒーロー。

高校のときに感じていた、世界への憧れを

当時に近い感覚で思い出させてくれた。


世界への入り口は、楽しいものであるべきだ。

それを極めようとしたものが、

グローバルイシューにたどり着く。

世界に散らばる素晴らしさの分からない人間が

問題解決に臨む勇気を持てるとは思えない。



まずは楽しむこと。

出発点を忘れてはいけない、と思うのであります。

観終わった後に不思議な印象がいつまでも残っている作品だ。


設定からしてコメディ要素が強そうな印象だが、

むしろ人間のいやらしい部分を浮きぼりにする

チカラのあるものに仕上がっている。


ふわ~っとしたシーンの連続の中に、急遽理不尽なまでの

精神的暴力描写が飛び込んでくる。

どの登場人物の感情にも共感できてしまうがゆえに、

ひとつの些細な事件は大きな波紋となって観客である僕に

押し寄せてくる。


そんな強いメッセージをぶつけてきつつも、

最後のラストシーンに思わず吹いてしまい、

それゆえにとても印象の残るものとなった。


最近この監督は8年目ぐらいだかにやっとメガホンを握ったらしいが、

それもうなずける。

こんだけ魂込めちゃったら

しばらく放心状態になるだろうよ。

勝新太郎版元祖座頭市。


とにかく勝新太郎がかっこよかった。

こんな図太い演技のできる俳優は現在では少ないだろう。

ラストの目を開けてやくざの組長に啖呵を切るシーンは

白眉もの。


日本人の特異なヒーロー像として、座頭市は例に挙げられる。

盲目のヒーローなんて、ハリウッドでは到底登場しないだろう。

そして、ライバルもまた、病気持ちで互いに労わりあうのである。

この背後には、日本古来からの障害者信仰のようなものがあるらしい。

このあたりもう少し調べてみたいと思う。