土曜日の午後
木枯らしが吹きすさぶ都会のビルの谷間 小路を凍えながら歩いている 彩香...
取引先との交渉も無事終え 会社に戻る途中 合コンの時の事を少し思い出していた
由美の誘いで参加したものの 成り行きと嬉しさという感情が入り乱れる
今夜電話が来たら どうするのか どう答えようか・・・
嬉しいのか 困っているのか はっきりしない気持ち...
合コンで偶然カップルになった相手から電話があったくらいで ウキウキするでもなく でも 嬉しくない訳でもないし...
あれこれ考えながら歩いていると 会社についてしまう
結論は出ないまま...



午後4時頃には 何とか会社に着いた
「今日は昼食も取ってないし あ~ お腹すいた~」
既に夕陽が傾きはじめ 辺りは黄金色に輝いていた...



彩香:「たっだいま~」っと

課長:「どうだった 例の件?」

彩香:「はい 大丈夫でした! デザインの変更は可能ということで... 図面と照らし合わせて 修正に入るということになりました!」

課長:「でっ 納期は?」

彩香:「それも間に合いそうです... 一応 3日後にまた連絡入れてみますが...」

課長:「そうか! とりあえず 良かった!」
    
何とか 大型プロジェクトである大規模マンション計画 その建築模型の修正は無事に依頼を終え 自分の机についた...

由美:「どう? 夕食一緒に食べに行く?」



彩香:「あぁ~ん もう お腹ペッコペコ! 美味しいもん 食べに行こう!」



由美:「じゃ 例のお店ね!」

彩香:「OK!」

先輩:「あ~ら? お食事? いいわね~ たまには誘ってちょうだ~い!」


うわ~ 先輩の鮫島民子だ~ わが社の古株・お局さまだ~
こりゃ何言われるか 分からんぞ~


鮫島:「朝倉(彩香)さ~ん! お食事の話もいいけど 退社までまだ時間があるわよ」



鮫島:「会社は無駄話してても お給料払う程 余裕ないのよ~ だから仕事してね~」



彩香:「あわわ (゚Д゚;)

分かりました(大汗)」



わ~ こりゃまるで 時代劇の 悪代官にいじめられる 町娘だ~ それにしても このお局様は 人の心を読むのが得意だから 気をつけなくっちゃ...


鮫島:「あ~ら 朝倉さん 何かおっしゃった? 目が何か訴えているように見えるけど...」



こりゃたまらんぞ~ 心を読み始めた~ 読まれてたまるか~
それにしても こりゃ 恐山の潮来(いたこ)か 細木のおばちゃまだわ~
目の開き具合がよく似ている どことなく大仏さま(⌒‐⌒) にも似ている



鮫島:「何か?」
(目をかっと見開いて)



彩香:「あっ いえいえ 何でもありません(汗)」

やばいやばい 全部読まれてそう... やっと後ろを向いた あ~ほっとした

あ~怖い怖い


あかんべぇぇ~~ だ ヽ(`д´;)/(怒笑)



鮫島:「まだ 何か?・・・ 朝倉さん舌が出てるわよ!」


あっっっ しまった 舌が出てた(゚Д゚;)・・・


ところで由美はどうなったかな?(゚Д゚≡゚Д゚)後ろを振り向いて確認すると
口をぽか~んと開いて あっけに取られていた...
あははは あまりの状況に 声も出なかったみたい...

 
退社後 いつもの六本木のお店で由美と夕食をとる


由美:「あのさ 合コンの時の...」

彩香:「合コン?」

ドキっとした 由美どうして知ってるの?

由美:「大森君なんだけどさ...」

彩香:「あ~ 大森さん! 合コンの時の幹事さん だよね」

由美:「うん 来週 スキー行くんだ お泊まりで... で・・・言いにくいんだけどさ~」

彩香:「えぇ? 言いにくいって?」

由美:「あのさ~ 2泊したいんだ! だから課長に 風邪ひいたって 口裏合わせして欲しいんだ」

彩香:「まあ・・・ でもいつの間に? まだそんなに経っていないのに もうお泊り?」

由美:「実は 彼は大学時代のスキー部の先輩なんだ それで 合コンも持ちかけられたって訳...」

彩香:「何だ そうだったんだ! 早く言ってよ!」





チャチャチャラ~♪


キタ━━(゚∀゚)━━ !!!



携帯が鳴った
あれ?何期待してんだろう 私ったら 取り乱しちゃって・・・
恥ずかしい(*^.^*)

由美:「あら 電話? 誰からかしら?・・・」

彩香:「えへへへ へぇ~ ちょぼっとね・・・ 電話出ていい?」

由美:「いいわよ でも 変な笑い」

えへへへ・・・ いつもながらタイミングが悪いな~ 北山さんたら・・・

彩香:「あっ もしもし 彩香です!」

北山:「あっ 彩香さん 今大丈夫ですか?」

彩香:「ええ 由美と食事中だけど 大丈夫よ・・・」

北山:「あ~ 由美さんと・・・」

彩香:「それで 何か?」

北山:「あっ いえ?別に用っていう程のことじゃないんですが・・・ どうしているかと思いまして・・・」

彩香:「北山さんの方こそ どうしてたんですか? 2週間も経ったから... もう連絡ないのかと思いましたよ!」



由美:「あっ 北山君からだ━━(゚∀゚)━━ !!彩香!北山君とそういう仲だったんだ~~ 黙ってて ずる~い!」



彩香:「あっ やば~」

北山:「何かありました? 由美さんの声が聞こえましたけど...」

彩香:「あははは・・・ いえいえ何でもないの・・・」

由美:「北山さん お元気? 彩香と付き合っちゃえば━━(゚∀゚)━━ !!」

彩香:「あぁぁぁ も~う 由美ったら 黙っててよ~! 話がややこしくなるじゃない~ ヽ(`д´;)/」

由美:「ああ ごめんごめん カラカウつもりはなかったんだけどさ...」

彩香:「北山さん また後で掛けてくれるかな? 今ちょっと外野がうるさいから・・・」

北山:「はい 分かりました... じゃ何時頃 掛ければいいですか?」

彩香:「家に着いたら こっちから電話するから・・・」

北山:「ああ はい わかりました! じゃ待ってます」

彩香:「それじゃ 後でね!」

プチっ

由美:「あ~あ 切ちゃった!」

彩香:「由美が カラカウ からよ! もう・・・」

由美:「あ~ ごめんごめん! 何かさ~ 彩香の顔が急に嬉しそうになったから いいなぁ~って思って・・・」

彩香:「まっ いいけどね・・・ お互い様だし・・・ で?来週のスキーはどうするの?」

由美:「どうか2泊させて下さい! m(._.)mおねげぇしますダ」

私は 旅館の女将か? 私が泊めるわけじゃないし... まっ いいか
由美と仲直りして 笑いながら店を出た・・・o(〃^▽^〃)oあははっ♪

でも なんとな~く 上手く行かない・・・
いったい この恋の行方はどうなることやら・・・


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