帝国劇場『enbless SHOCK』。

 

運良く、本当に運良くチケットが入手できました。

 

自分がプラチナチケットを入手したのだと実感したのは入場直後。

 

パンフレット売場に列ができている。

 

公演中に新しいステージフォトが発売される2階の売場ではない。

 

公演当初のグッズしか発売されていない一階の売場でだ。

 

私が観たのは初日から1ヶ月は経過している3月頭。

 

リピーターの多いミュージカル作品の場合、1ヶ月も経てばパンフレット売場は空いているものだが、この列はこの時期で初見の人が多いと言うこと。

 

 

ステージフォトも同時に求める初見の人は2階の売場に列を作っていることを考えると、チケットのプラチナ振りを実感。

 

それだけ、入手困難なのだろう。

 

入場前からありがたさが増す。

 

考えてみれば、私が最初にこの作品を観たのは『SHOW劇・SHOCK』とされていた時で、調べてみたら20年近く前だった。

 

この時もチケットが取れないってもんじゃなく、確か東宝にダメ元で送った往復葉書による事前抽選が当たったような記憶がある(かなり前のことなので、記憶が曖昧だが)。

 

そして先行抽選締め切り後か前売り開始後に、宝塚歌劇団の若手スターだった樹里咲穂の出演が発表され、ヅカファンも巻き込んでのチケット争奪戦となり、チケットが当たったなどと安易に口に出せない雰囲気だった。

 

今調べるとキラ星のような出演者達で贅沢な空間だったのだと思う。

 

その頃はジャニー喜多川演出で、Show must go on の精神は同じだけれど、今とはだいぶ物語は違っていた、

 

日本から始まって船でアメリカに渡る場面があり、その船上でのダンスが見事と思いながら、今時船でアメリカ…とツッコミを入れたくなった記憶がある。

 

樹里咲穂はまずは兄嫁として登場し、2幕ではアメリカでコウイチ一座に加わる少年として登場。

 

終幕にはその少年が兄嫁の男装だと発覚したり、その現旦那が実は悪魔だったというような展開に驚いたりだった。

 

とにかく盛りだくさんの舞台で、次から次へと繰り出されるSHOW場面は圧倒的だった。

 

その後の開幕早々フライングがあり、少年が落ちかけるという演出はJohnnysWorldに引き継がれていたりして、ジャニー喜多川演出が詰まった作品であったと思う。

 

 

そして、次に観たのはかなり後、ワイドショーなどで堂本光一の階段落ちが話題になった数年後のこと。

 

ようやく話題になった階段落ちをみることができると思ったものだ。

 

SHOW演出はそのままに、ストーリーがスッキリして解りやすくなったという印象だった。

 

そして今年、恐らく4、5回目の観劇となる。

 

驚いたのが、堂本光一の若々しさ、華やかさが変わっていないこと。

 

舞台の上で王子様としてしっかり存在しているのだ。

 

また、フライングの見事なこと。

 

今まで色々なフライングを見てきたけれど、ポーズは綺麗だわ、安定しているわで心から拍手をしましたよ。

 

特に二枚の赤い布を使ってのフライングは魅了されたな。

 

若さに満ちたオープニングの雰囲気から、殺陣を使ってのダンスで盛り上げ見せ場の階段落ちにつながる1幕。

 

物語の進行上、ちょっと暗い雰囲気の2幕冒頭から、圧巻のダンスシーンが繰り広げられる中盤以降。

 

堂本光一の存在感が圧倒的でダレないのだ。

 

特にクライマックスのショー場面がスタートするときのソロダンスの迫力はお見事。

 

実力に裏打ちされた王子様オーラなのだと思う。

 

最近ジャニーズの舞台のお家芸となった感もある和太鼓だが、本作でも壮観。

 

あと生オーケストラ、生歌もいい。

 

前回『endlessSHOCK』を観た時、生だったかどうか記憶がないのだが、やはり生は迫力がある。

 

終盤、豪華なセットを前に堂本光一が歌い、前田美波里がそれに続き歌った時、贅沢な気分が味わえた。

 

若手の出演者も頑張っていて、特に松田元太、松倉海斗(松松コンビというらしい)の

初々しい全力にダンスが印象に残った。

 

堂本光一という大きな存在の背中を見ながら、若いアイドル達が育っていくのだなぁ…という感じだ。

 

10数年経って今回のパンフレットを開いた時、この人も出ていたんだと思わせるような活躍を若い出演者の皆さんに期待したいと思った。

 

好きな作品は2回、3回と通うタイプだけれど、この作品の場合、次にチケットを手に入れることが出来るのはいつになるかわからない。

 

けれど、シングルキャストで、このいかにも体力を使いそうなこの作品を上演し続けているには偉業だ。

 

チケットが入手困難なのも仕方はない。

 

是非、上演回数を重ねていってほしい作品である。