本日(2024年7月24日)に埼玉県南部や坂戸周辺にて、竜巻が発生しました。

皆様は大丈夫でしたでしょうか?

 

実際のネギの竜巻被害の様子(2024年7月24日坂戸市)

 

竜巻被害に遭うことは稀かもしれませんが、他にも被害に遭われた方がいるかもしれないため、緊急で記事を作成しました。

 

この時期被害に遭われた方は、早めに下記の2つの対策をして頂くのが良いかと思います。

 

 

  【1】病気の予防(殺菌剤散布)

 

傷んだ葉や茎から、病気が入りやすくなっていると考えられます。

そのため、最優先で、病気予防の薬剤散布をされる事を推奨いたします。

 

7~8月の時期ですと、特に、軟腐病、腐敗病に要注意かと思われます。

 

おすすめは、以下の殺菌剤となります。

(※お手数ですが登録内容はラベルの確認をお願いいたします。)

 

 

 軟腐病・腐敗病の予防

事前にモンカット粒剤ユニフォーム粒剤を使用されていない場合は、白絹病も予防できるバリダシンを特にお勧めいたします。

 

バリダシン液剤

軟腐病・腐敗病だけでなく、白絹病も予防&初期治療効果が期待できます。

 

ヨネポン水和剤

軟腐病、腐敗病だけでなく、べと病やカビ系の病気など、幅広い予防効果が期待できます。銅剤の中では、混用しても薬害が少ないと言われているため、おすすめです。

 

スターナ水和剤

軟腐病、腐敗病の予防効果が期待できます。

 

カッパーシン水和剤

軟腐病、腐敗病の予防&初期治療効果が期待できます。

 

 

  【2】液肥類の散布

 

竜巻(強風)による葉のダメージに対しては、

(1)耐病性の向上

(2)光合成の促進(回復)

(3)微量要素の補充、の3つが重要になります。

そこで有効なのが、以下の液肥類となります(上記殺菌剤などと混用してご使用されると一石二鳥です。)

 

葉活酢(1000倍)

吸収の良いカルシウムと酢酸で、耐病性を向上し、生育の回復にも寄与します。

(すぐに「葉活酢」が手に入らなければ、「ホスカル」、「ホストップ」、「カルエキス」等でも大丈夫です。)

 

フルマグ(1500倍)または鉄力トレプラス(1000倍)

多種微量要素が入っているため、生育回復に必要な養分のほとんどが含まれています。ペンタキープと混ぜると相乗効果があります。

 

ペンタキープHyper(5000倍)

光合成の基の「葉緑素」の素の成分が入っているため、光合成を活性化させます。

光合成が促進されると、生育も回復していきます。

(※ほとんどの農薬と混ぜることが可能ですが、アミスター、メジャーと混ぜると薬害の恐れがあるので、お気をつけ下さい。)

 

※なお、ネギの「液肥リレー表」では、この時期のお奨め液肥は、ペンタキープではなく「セルエナジー」と記載されておりますが、今回のように多大なストレスがかかってしまった場合は、「ペンタキープ」の方が良いかと思います。セルエナジーは疑似ストレスを与える事で抵抗性を高めますが、それよりも、生育の回復を優先した方が良いためです。

 

以上、上記の殺菌剤と、液肥、更に必ず展着剤も混ぜて、できるだけ早く対応されることをお勧めいたします(ついでに殺虫剤を混ぜても大丈夫です。)

 

また、ネギ以外の作物で、竜巻に遭われた方も多いかと思われます。

基本的な対策は他の作物でも同様です。

 

ネギ同様あらゆる病気のリスクが高まるため、

①その作物に合った幅広い病気予防と、

②液肥類による生育回復、

この2点を早急にされることを推奨いたします。

 

 

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※本通信での内容は、できる限りお役に立てるよう記載しておりますが、完璧ではございません。本通信によって不覚にも与えてしまったいかなる損害については、当社では一切の責任を負う事ができません。ご自身の責任とご判断において、ご活用いただければと思います。

 

※農薬の登録記載内容につきましては、誤字・脱字・変更などの可能性もあるため、正式な情報をご確認の上、ご使用ください。

 

※「シグナムWDG」をご使用の際は、溶かし方にご注意ください。

先にバケツ等で溶かしてしまうと、固まりやすくなってしまいます。

ご使用の際は、必ず下記の図のように、水を入れたタンクにさらさら振りながら入れ、すぐにかき混ぜてください。