こんにちは、ネギ参謀です!

いつもご愛顧いただきありがとうございます。

 

今年(2021年)3月下旬頃から、全国的に「ネギの葉が垂れて枯れる」「白くなる」「黄色くなる」「リング状に黄色くなる」…という症状の報告が多くなっております。

 

皆様のネギも、このような症状になっていませんか?

小さい時に、リング状に症状が出ているパターン

 

葉先が垂れているパターン

 

実はこれ、「疫病」という病気なのです。今年だけでなく、昨年も春から梅雨にかけて多発しました。

似たような症状で「白色疫病」というものがあるものの、正直判別が難しいです。

 

というのも、疫病の原因菌は50種以上あると言われております。

(参考文献:『疫病菌類の同定のための簡易な分離・培養・形態形成法-その 2-』植物防疫 第67巻 第10 号(2013 ))

涼しい時期(10-20℃くらいの頃)にネギがこのような症状になった場合は「白色疫病」の可能性が高いようです。

いずれにしても、卵菌類のフィトフソラ属というグループの菌なので、対策は同じです。

 

白色疫病の胞子の発芽適温は15~20℃、疫病では20~28℃と言われています。気温が15~28℃の時は注意が必要ということですね。

しかし、本当に気をつけるべき温度帯は10~20℃を行ったり来たりする今なんです!

 

なぜかというと、疫病の胞子は10℃前後に15分以上置かれた後、20℃程度まで気温が上がった時、発芽しやすくなる性質を持っています。

(参考文献:『沖縄に分布する Phytophthora 属菌と植物疫病とくにパインアップルしんぐされ病に関する研究(農学科)』、田盛正雄(1974))

今は10℃~20℃をいったり来たりしていますよね。

まさに、疫病発生の条件にピタリと合ってしまっている状況と言えます。

 

<対策>

◎胞子を増やさない環境作り

疫病の感染源は胞子。土に残っていたり、風で飛んでくることで感染します。

そのため、定植予定の圃場の前作で、疫病や白色疫病を発生させないことはもちろん、近くの圃場でも発生させない、という事が重要となります。

 

◎健康維持

次に、病気に負けないくらいネギを健康に維持することが大事になります。

チッソ過多で軟弱になると、細胞(センイ質)が薄くなったり、抗菌物質(ファイトアレキシン等)の分泌も弱まります。

 

チッソは適量であることに加えて、カルシウム・苦土・鉄・ホウ素など、様々なミネラルがバランス良く取れていれば、疫病を含めた様々な病気に対して強いネギとなります。

 

ミネラルは土づくりで補うのが理想であるものの、難しい場合は、液肥で補うこともできます。

当社では「鉄力トレプラス」と「ホスカル」をお奨めしています。液肥は農薬と混ぜられるので、消毒のついでに散布できて手軽です。

※銅剤などアルカリ性の農薬とは混ぜないでください。

 

・鉄力トレプラス

苦土、鉄、ホウ素など多種類のミネラルを補給できます。

 

・ホスカル

防御力を高める「カルシウム」と、疫病軽減の効果が期待できる「亜リン酸」の両方を含んでいます。襟締りが良くなる効果も。

(参考文献:『ジャガイモ疫病の発生に及ぼす亜リン酸肥料の効果』関東東山病害虫研究会報 第 57 集(2010))

 

それでも、病害虫や風雨、中耕・土寄せ作業などにより、一時的にネギが弱ってしまう事もあります。

また、疫病は簡単に風で飛んできますので、土づくりと健康維持だけでは、不十分な場合もあるかもしれません。

 

◎薬剤

そこで、最終手段として、薬剤防除もご検討ください。

疫病はべと病の予防剤で、一定の効果があると言われています。しかし、通常のべと病の薬では、効果が低い場合が多いです。

 

そのような中でも、下記の3つの薬剤は「結構良かったよ」というお声を頂きました。

いずれも、2成分混合で、予防と初期治療効果も兼ね備えていると言われています。

※「治療」と言っても、「阻止する程度」であるとお考えください。また、「疫病」としての適用ではありませんので、あくまで参考程度にお願いします。

 

(下記登録内容は、2021年4月16日時点)

○フォリオゴールド

・メタラキシルM(リドミルゴールドの片方の成分)+TPN(ダコニールの成分)

・800-1000倍、散布、収穫14日前まで、3回以内

※リドミルゴールド、ダコニール、ユニフォーム粒剤と成分が重なるため、回数にご注意ください。

 

○ダイナモ顆粒水和剤

・アミスルブロム(ライメイの成分)+シモキサニル(ホライズンの成分)

・2000倍、散布、収穫3日前まで、4回以内

 

○ザンプロDMフロアブル

・ジメトモルフ(フェスティバルの成分)+アメトクトラジン

・1500-2000倍、散布、収穫14日前まで、3回以内

※フェスティバル水和剤と成分が重なるため、回数にご注意ください。

 

以上、ぜひ総合的に対策をして頂いた上で、早期発見し、必要に応じて薬剤防除もご検討されると良いかと思います!

 

 

【ネギ農薬の適用変更・拡大情報】

最後に、最近登録内容が変更・拡大した3剤をご案内いたします!

 

◎ユニフォーム粒剤

【収穫90日前まで → 収穫45日前までに!】

・アゾキシストロビン(アミスターの成分)+メタラキシルM(リドミルゴールドの片方の成分)

・さび病、白絹病、べと病、9kg/反、株元土壌混和、土寄せ時(ただし、収穫45日前まで)、1回

※フォリオゴールド、リドミルゴールドと成分が重なるため、回数にご注意ください。

 

収穫前日数が短縮されたため、初夏どりネギの春先の使用もお奨めです。

また、葉面散布剤より、効果が持続するため、省力化にも!

 

◎リドミルゴールドMZ 

【収穫30日前まで → 14日前までに!】

・マンゼブ(ジマンダイセンの成分)+メタラキシルM

・べと病、1000倍、散布、収穫14日前まで、3回以内

※フォリオゴールド、ユニフォーム粒剤と成分が重なるため、回数にご注意ください。

 

◎コルト顆粒水和剤

【ネギハモグリバエに適用拡大!】

・ピリフルキナゾン

・ネギアザミウマ、ネギハモグリバエ、2000倍、散布、収穫7日前まで、3回以内

 

IBRという独自の系統で、行動を抑制するタイプです。

遅効性で食毒(虫が葉を食べるか汁を吸わないと効かない)ですし、ハモグリバエに対しては成虫にしか効果が無いようですが…

散布された葉にはなぜか成虫が寄り付きづらくなる!?という噂です。

近年問題となっている、ネギハモグリバエ対策に、ローテーションや混用で利用するのも良いかもしれません。

 

※農薬の登録記載内容につきましては、誤字・脱字・変更などの可能性もあるため、正式な情報をご確認の上、ご使用ください

 

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