(エピローグより) |
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奨励会の修業は、一般社会に出た瞬間に限りなく無に近くなる。 ・・・・ |
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悩み、戸惑い、何度も何度も価値観の転換を迫られ、諦め、挫折し、また立ち上がっていく。 |
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奨励会を戦う者の誰もが、おそらくはその覚悟を胸に秘めている。 |
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彼らは社会人を目指しているのではなく、棋士を、そのはるか先にある名人を目指しているからだ。 |
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それに挫折した者にも、今立ち向かっている者にも心から拍手を送りたい。 |
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勇気を持って壁に挑む若者たちがいるからこそ、聳え立つ山は気高く美しいのだ。 (裏帯) |
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”夢と挫折の奨励会物語”は、中座さんの”伝説の写真”から 幕を開けます。 |
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ここに登場する奨励会を退会していった人たちは、特に熾烈を極めた”羽生世代に追い越された者たち”です。 |
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メインは、成田英二(五十嵐豊一門下)さん。 S52年組高田尚平さんと同期です。 |
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S57年組先崎さんと同期の米谷和典さんは司法書士になります。 |
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同じS57年組の秋山太郎さんは、「平成22年度前期奨励会三段リーグ編入試験」を受験しました。 |
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江越克将(森信雄門下)さんは、2000年1月 第1回世界将棋選手権にブラジル代表として出場し 優勝します。 |
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成田さんの弟分の西森照幸さんは、札幌で食品管理工場に就職しました。 |
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将棋ライターの加藤昌彦(小林健二門下)さんは、『聖の青春』にも登場します。 |
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観戦記者の池辺龍大さんも退会場面で登場です。 |
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連盟職員の関口勝男さん(S36年花村元司門下)のはなしでは、花村さんの編入試験逸話も挿入されます。
大崎善生さんが連盟に就職した2・3日目の話として升田幸三先生も登場です。 |
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S52年組の成田さんは、S55年組にも抜かれ、羽生世代にも追い越され、”過当競争”の嵐に打ちのめされた代表といえるでしょう。 |
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結びの 「奨励会が、競争と厳しさを教えるだけのところではない・・・・ きっと、勇気や優しさを教えてくれる場所なのだろうと。」 にすくわれるものがあります。 |
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<目次> |
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プロローグ |
第1章 |
北へ |
第2章 |
沈黙の海 |
第3章 |
夢への遡上 |
第4章 |
吹きあれる風 |
第5章 |
月光 |
第6章 |
再会の日 |
第7章 |
放浪 |
第8章 |
恋 |
第9章 |
勇気の駒 |
エピローグ |
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著者: 大崎善生 |
発行: 講談社 |
2001/5/23 初版 |
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